勉強のことで叱るべきではありません。
「どうしてこんな問題もわからないの」
こういう叱り方は良くないものです。
「また同じミスをして!」という事を言うのはどうだったしょう。やはり基本的には叱るべきではありません。同じ間違いをするのは、そこが弱点だからです。弱点を克服するのは大人だって大変。ましてや子供がつまづいているときにすべきは応援であって叱ることではありません。
これを叱るのは愛情ある叱責だという人もいます。考え方の違いもあって、それをあえてする人はいます。子供にもその叱られ方で奮起するタイプもいるので、あながちダメとは言えません。しかし私達世代に比べて異常とも言えるくらい打たれ弱くなった今の子供にはやらない方が無難です。よくよく性格を知り尽くしてからでないと怖くてできません。
それはさておき、ミスにも種類があります。あまりにつまらないミスの場合に、それを惰性でいつもいつも繰り返すならば、そのときはたしなめるべきです。それはもはや勉強態度に問題があると言えるからです。
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今回はそれと似たような話です。勉強に関わることですが、これを子供が言ってしまったときには看過できない3つの言葉があります。そのときには絶対に注意する必要がある言葉。それは何でしょうか。
無理
「明日までに英語をマスターしてこい。」
そんなことを言われたら「そんなん無理」というでしょう。当然です。事実不可能ですから。しかし、明日までに英単語30個だったらどうでしょう。それくらいならできそうですが、それでもやはり「無理」といってしまう子がいるはずです。全国で、この声が全く飛ばない中学校の教室があるでしょうか。それくらい反射的に「無理」と言ってしまう子供が多いです。そのように、がんばればできるはずのことでも「無理」といってしまうのはどうしてでしょう。
そういってしまった人の中にも、実は本当はできると思っている人もいるかもしれません。でも、できなかったら格好悪いとか考えて、予防線を張っているということはありえます。
ですが、本心ではどうあれ、言葉に出してしまうのは考えものです。無意識の部分が言葉通りに受け取る危険性があるからです。そうなると、実際はできると思っているのに、無意識がブレーキをかけてしまいます。その結果、思ったより大変だということになり、さらに進んで、誰にもできるなんて言ってないんだからやめてしまおう、ということになる可能性が、「無理」と口に出さなかったときに比べて高くなってしまいます。
どこで読んだ話か忘れましたが、問題集で難しかった問題やできなかった問題に、マークとして[簡単]と入れるという勉強法を見たことがあります。「無理」の逆の話ですが、 なかなか無意識も侮れないということですね。そして、やっぱりそういうことを考える人もいるんだな、と安心した覚えがあります。
それではどうすれば良いでしょう。それは「無理」と言わなければ良いのです。全く[簡単]です。
本心から難しいな、と思っているときでも、絶対に「無理」と言わないようにします。(余裕があれば「簡単」という癖をつけると良い。)最初は難しいです。うっかり口をついて出てしまいます。そのときは落ち着いてその言葉を取り消してください。「今言った言葉は間違いです。取り消します。私には簡単です」と。
ポジティブな言葉を発したり、目標を紙に書いたりすることは昔から行われてきました。普段からそういう癖をつけることで、いつの間にかその気になっていくという効果があることを、経験則から何となく感じていたのでしょう。それがただの精神論から脳科学的に効果あり、とわかってきました。オカルトの世界から科学へと進歩を遂げているのです。
ところが、科学と聞くと信用する人でも、脳科学と聞くと、どうも信頼を獲得した学者が少ないせいか、まだまだ未知の分野であることも相まって、怪しいと思ってしまう人がいることも認めます。そういう人は脳科学を忘れてください。心意気の話でいいじゃないですか。無理と言うな、できると言え、で十分です。
苦手
これもよく聞きます。
「算数苦手なんだよね。特に比が。」
のようなセリフです。
苦手ってなんですかね。いつもいつも良い点が取れない科目または分野のことですか。じつはこの「苦手」という言葉、とても厚かましい言葉なんです。どうしてかというと、ろくに勉強もしていないのに「苦手」も何もあったものではないからです。
「苦手」ということによってどういう心理が働くでしょう。自分はこの科目が苦手だから、悪い点を取っても仕方がない、という自己保身のためという理由が一番です。悪い点を取る免罪符代わりにしているんですね。「苦手」を認めると、おそらくそれを発した子供は、ろくにその自称苦手分野を勉強しなくなるでしょう。
これを決して許してはいけません。私は息子には絶対に言わせませんでした。というより、思い返してみても、そんな言葉を言ったことがないような気がします。まだ点を取れない科目が出る前から、口を酸っぱくして言い聞かせていたからでしょう。
どう言って聞かせてきたかというと「苦手とかそういう類の言葉は、しっかりと点を取ってから言え」です。できるけれども、そのために他の科目よりもずっと苦労したとか楽しくなかった、という場合にのみ、苦手と言って良い、と決めてきたのです。点は取れるけど苦手。そう言われれば、もう認めるしかありません。でも普通、点が取れる科目を苦手とは言わないでしょう。これもある意味、心意気の話に通じますね。
やったらできていた
テストが悪かった時に言うことがあります。私がよく言っていたある意味卑怯なセリフです。親も間抜けなものだから、あんたはやればできる、とよく言われたものです。
「やったらできていた」も、これまた実に厚かましい。本当かもしれないし、嘘かもしれない。それは問題ではありません。これはつまり、やらなかった、ということです。怠惰で不誠実だったことを棚に上げて「やったらできていた」は、ちゃんとやって点を取った人に対して失礼極まりないです。「やればできる」は前向きなようで、やらないことを認めることになります。これまた免罪符なのです。
もしこれを言ったなら、やってなかったことに対して叱らないといけません。認めてしまうと、今後も同じ事を繰り返す可能性が高いです。経験者が言うので間違いありません。
以上の3つの言葉、「無理」「苦手」「やったらできていた」を口にしたならば、必ずやめさせて、理由を説いて叱るべきと考えます。
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