将来、塾に通わせるつもりでも、塾なしでいくにしても、中学受験をさせようと思うならば、算数の先取りを全く考えないということはないでしょう。
先取りで人気なのは公文式です。受け身になるとか思考力がつかないなど批判も多いですが、計算力もつく(本来こっちがメインですね。)し、考える勉強は別のものをやれば良いので有効だと思います。
我が家では、小学校の勉強程度ならは外注する必要性を感じなかったので、自宅学習で先取りをしました。そもそも「塾なし」といっているのに、そうじゃなかったら詐欺まがいですよね。
そこで今回は、小学生になってからの算数の先取りを、どんな方針を持ってどのように進めてきたのかについて書いていきます。
インデックス
就学前どこまでやったか
先取りはどこまですべきか
できるならばどこまでもやって良い
ノルマは決めない
教材
教えるときに注意したこと
数式は言葉
単位付きの式を作る
かけ算
割合の基礎
わり算
生活の中で覚える
いつ終わったか
就学前どこまでやったか
小学校に上がる前にやったことについてはこちらにまとめました。
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足し算引き算を終えてかけ算(九九)までできるようになっています。私達は、当時、蔭山英男先生のファンでしたから、当然のように百マス計算に取り組んでいました。タイムははっきり記録してないですが、2分を切っていたことは間違いありません。書くのが遅い園児にしては上出来でしょう。わり算にはこの時点では取り組んでいません。
先取りはどこまですべきか
できるならばどこまでもやって良い
先取り学習は、最初から特に制限も義務も設けず、できるだけやっていこうという方針でした。それについて思いがけずお墨付きを得ることができました。まだ息子が幼稚園の頃だったと思います。応募して当たったんだと記憶していますが、妻が蔭山先生の講演を聴きに行く機械に恵まれたのです。そこで質疑応答の時間に直接質問できたそうです。
「先取り学習はどこまでやっていいですか?」と。
答えはできるならばどんどんやって良しでした。そのおかげで何の不安もなく、先取りをする決意ができていました。
ノルマは決めない
どんどんやって大丈夫とはいっても、いつまでにどこまで終わらせようとか、そういうことは考えませんでした。
本来なら目標を決めて、それに向かっていくのが正しいです。でもそれは自分自身のことなら良いですが、相手は息子とは言え別人格の子供です。大人、特に親は低学年の算数なんてできるのが当たり前と思いがちで、ついつい厳しい目で見てしまいます。それだと目標が守れなそうになると焦りますし腹も立つでしょう。そうなったら悪い循環にはまりそうですから、ノルマを決めるのはやめておきました。
叱る必要はなく、できたら喜ぶ。幼少時からずっと続けてきた基本スタンスを今こそ大事にすべし、と決意を新たにしました。入学時に持っていた1学年のリードを保っていれば十分、と考えるようにしたのです。
教材
使用したのは、何の変哲もない市販の問題集です。現物が残っていないので紹介できませんが、特別なものではありません。3年生向けの問題集なら、その全単元が入っています。文章題とか図形もまとめて入っていました。
先取り学習のノルマは決まっていませんでしたが、そのコンセプトはハッキリしていました。それは、簡単な問題で構わないのでどんどん単元を進めて小学校の範囲を終わらせる、というものでした。
そのために難問は避けました。小学校の文章題の難しさは、国語的な難しさだと思っています。小1、2向けの難しい問題集には、ちょっとした中学受験並みの問題もありますが、そういうものは国語力がついていくに従って自然にできるものだと考え、後回しにしました。とにかく6年生までの基本を固めることが優先です。
教えるときに注意したこと
数式は言葉
算数は式を作る科目ではないという意識を徹底させるために、式を立てないで問題を解くことをよくさせました。それは文章を書く練習にもなりました。そして、毎回毎回文章を書くのは面倒だから、省略するために式があるんだ、という風に教えました。
単位付きの式を作る
式を作るときには、単位について意識するようにさせました。何の式を作っているのかな、ということをよく考えさせるためです。
足し算や引き算なら簡単です。同じ単位のものを足したり引いたりするからです。
1個+3個=4個
6人-4人=2人
単位付きのかけ算
かけ算の場合は案外大変です。例題です。
「110円のノートを6冊買うといくらですか。」
答えを出すのは簡単で3年生ならできない子はいないでしょう。でも単位が付くとどうですか。
答えの660円は変わるわけがないので、
110×6=660(円)の左辺に単位をつければ良いですね。
1冊あたり660円として、1冊を分母にします。すると分母と分子で冊が消えて円だけ残ります。
ここで分数について詳しくはまだ教えません。冊を文字ととらえて約分するところなど、分数のかけ算をやるときに役に立ちました。数学の範囲でもあります。
また、1冊あたりという考え方は、5年で習う単位量あたりの大きさに通じています。さらに「1時間あたり」などは速さを学ぶときに大いに役に立ちます。
では次にこの問題はどうでしょう。
「まいさんは折り紙を3枚持っています。まおさんは折り紙をまいさんの3倍持っています。まおさんは何枚ですか。」
これは、3枚×3=9枚 でいいんです。○○倍というのは「かける○○」という意味で、×と倍は同じなので「倍」の単位は不要です。まぁ、 3枚×3倍=9枚 でもニュアンスが合ってるから別に問題はありませんが。
割合の基礎
ここで○○倍というのは割合というんだよ、と教えておきます。さらに、10倍、100倍、1000倍も割合だと教えておくのです。整数倍も割合だとわかっていれば、1以下の小数分数になったときに理解が早くなります。
次に10倍の逆は10分の1だとか、半分は2で割るけどかけると0.5倍だよとか教えながら、少しずつ自然に理解させていきました。
わり算
わり算も問題を見てみましょう。
「おかしが40個あります。ひとり8個ずつ配ると何人に配れますか。」
前の問題と同様に、8個を1人あたり8個とします。
そしてひっくり返してかける。分数のわり算です。単位の「円」だけ残りました。
これも応用すれば、1時間あたり何km進むか、という速さの理解につながります。
生活の中で覚える
重さや距離などの生活に関わるものの単位は、特別に教えた覚えはありません。その都度話をしていたんだと思います。身長や体重はよく使いました。メートルにしたりセンチメートルにしたり、kgをgに換算したりしました。息子の身長は私の身長の何倍か計算させたりすると、小数・分数が実感できます。
車で遠出したときには時速と距離の感覚を身につけさせました。地図をみて面積を計算したりしました。今年はあと何日、とか何時間とか計算させました。
気をつけたのは押しつけがましくなく自然にすることでした。我が家では知的な生活を目指していたので、そんなに無理をすることもなく普通にできたと思います。必死になることは絶対に避けました。余裕がないのは私の価値観に反します。
いつ終わったか
はっきりいつ終わらせたとかは記録がないのでわかりません。確実なことは、小5の4月から「中学への算数」の日々の演習を始めたことです。そこから逆算すると、4年のときには世間でいうところの特珠算の問題はできるようになっていたと思われます。
既に何度も申し上げてますが、特珠算は特殊な方法を使わなくても、算数を使いこなせばできます。4年生の時に6年までの先取りをしながら、できる範囲の中学受験の基礎問題をやらせたんだと思います。というのも、3年生で小学校の範囲を全部終わらせた記憶がないからです。(あれば覚えているでしょう。)
(追記)
6年生向けのドリルが見つかりました。やった日付を見ると、4年生になる前の春休みには終えていました。思っていたより頑張ってやってたんですね。しかし、とりあえず終わらせたというだけで、4年生で中学受験の基礎をやりながら復習していくことで定着させたのだと思います。
まとめ
算数は具体的な科目ですから全体像をつかむことができます。全体をイメージして文章にする練習から、単位の付いた式に移行します。それで算数は式を作るのが目的ではないとわからせました。
単位の付いた式でかけ算やわり算を考えると、速さや割合の考え方の基礎につながります。算数で一番つまづきやすいのはおそらく分数や小数も含めた割合の話です。その対策はかけ算、わり算のときから少しずつ教えていき定着させました。たぶん毎回教える毎に6~7割程度理解して、というのを繰り返していき、気がつけばいつの間にか身についている。そんな感じでした。
単位や割合は生活の中でいつの間にか覚えられるように話題に出すようにしました。あくまでも自然に、意識しないでやれたと思います。
ここで気になるのは、算数に欠かせない思考練習が足りていないのでは、ということでしょう。低学年の思考問題は国語力があれば解けると書きました。それならば国語力をつける方が大事だと思い、作文を書くことに注力しました。
でも作文では論理的思考力が育ちません。育ちませんは言い過ぎですが、効果的に論理の力が付くものではないでしょう。ではどうやって練習したのかというと、主としてパズルを使いました。
作文とパズルについては、これからそれぞれについて書いていきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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