前に、考える力をつけるにはワーキングメモリと言われる短期記憶を鍛えるべきである、という話をしました。
そのためには、映像化して覚えて、しかもいつでも引き出し可能な「片付け場所」をたくさん持つことが非常に役に立ちます。
今回は、その「片付け場所」として、日本人が一番使いやすい都道府県を県番号と共に覚えていく方法と利点を紹介します。
日本地図は絶対必要不可欠
日本地図で都道府県を覚えることは、全ての社会科目の基礎中の基礎です。
地理で役に立つのは当たり前です。地理自体が日本の特色を学ぶ科目ですから、日本地図が頭に入っていないようでは話になりません。
ところが、小学生の中には都道府県を正確に答えられない子が結構います。ちょっと考えられません。小1から教えても良いと思っているくらい絶対に必要な知識です。ましてや受験をするならなおさらです。小4以上でもしうろ覚えなら、すぐに完璧にすべきです。鳥取と島根で1秒も迷っていてはいけません。
地理だけでなく歴史でも役に立ちます。歴史上の事件や出来事が現在の何県の辺りで起こったのか、知っていると知らないとでは理解に大きな開きがあると思っています。地理的感覚抜きの歴史は、イメージするときに奥行きが無くなってしまいます。
日本地図の発展形として旧国名も覚えさせましたが、こちらも歴史だけではなく地理にも大いに使えます。三陸海岸や濃尾平野などの地名には旧国名の名残が多く見られます。覚えておいて損はありません。さらに中学以降の古文でもかなり役に立ちます。是非覚えてもらいたい旧国名ですが、ベースに都道府県があってこそです。
公民でも日本地図は選挙制度等で関わりがあります。地学関係の理科でも日本地図は頭に入っている方が良いでしょう。
記憶の回路を開く
早いうちに覚えたい
このようにありとあらゆる場面で使える日本地図都道府県ですが、47個あり小学生としては分量が多い方なのかもしれません。それだけに、全部覚えきるにはそれなりの時間を要します。それを4〜5年生で覚えるのですが、それではちょっと遅すぎます。
4年生ともなると勉強は苦手という意識を持つ子も既に出てきています。できればそういう意識を持つ前に覚えてしまうのが良いでしょう。それなら余計なストッパーがかからずに純粋に覚えられます。低学年の時に時間をかけてやっておくべきなのです。九九に時間をかけるように、全員ができるようになるまで覚える作業に時間をかけておきたいところです。
早いうちに覚えておけば、記憶の回路ができて、覚えることに抵抗が少なくなって、よりたくさんのことを覚えることができるようになります。
詰め込みもできないと困る
今のちょっとした分量を覚えるだけで「詰め込み」だとか言う風潮が私は我慢なりません。将来的に、覚えることが多い進路や職業はたくさんあるのに、覚えることへの否定はそういう道を断ってしまいかねないからです。
息子の大学での勉強を見ていると、噂では聞いていましたが大学受験よりもはるかに多い分量を覚えないといけないようです。覚えることはコンピュータに任せて人間は思考してりゃいい、なんて考えていたら留年は必至です。覚えさせることに手を抜かなくて良かったと、今実感しています。
他分野でも、専門的な仕事では覚えることが山積みだと思います。「詰め込み」批判などしている暇はありません。
番号といっしょに覚える意義
思い出すときに便利
県番号は私が勝手にナンバリングしたものではありません。公的機関や新聞等が都道府県の一覧を載せるときに使用している順番で、オフィシャルなものです。
番号自体が試験に出題されることはありえません。しかし番号を覚えておくと、かなり便利なのでセットで覚えることを推奨します。
ナンバリングすることは順番がつくということなので、何もないところで頭の中だけで思い出すときに役に立ちます。都道府県でいえば、何番の県を覚えていないのかがどこでもわかるということです。
頭の中だけで思い出す作業は、ワーキングメモリを大きくするのに有効な方法です。また、することがないときに思い出すことは、良い暇つぶしになります。私は今でもよくいろいろと順番をつけたものを頭で回収していきながら頭のトレーニングをしています。(これをしている自分を客観的に想像すると変な人みたいですね。)
数字の連想に使える
数字を覚えないといけないときに、ナンバリングしてあるものは役に立ちます。県番号は固定番号で変わることはありません。ですから21は岐阜、39は高知と瞬時に変換できます。だから覚える局面になれば、21なら岐阜と関連のあるもの、長良川、鵜、飛騨高山、豪華モーニング、信長、稲葉山などを。39なら高知と関連のある、四万十川、かわうそ、竜馬、土佐犬などを連想すれば覚えやすくなります。
県番号だと47までですが、100までナンバリングしてあるものもあります。それらを組み合わせていけば数字は覚えやすくなります。百人一首や歴代天皇は順番が決まっていますし、世界の国は私が自分でナンバリングしています。
整理して覚えられる上に、数字に変換もできるので、ナンバリングはとても使い勝手が良いです。
県番号を覚えよう
都道府県を覚えているなら、原則と少しの例外を覚えれば、県番号はすぐに覚えられます。最初から番号と一致させる必要はなく、まずはキリ番をきっちり覚えておいてそこから数えていけばいいでしょう。それを繰り返していくと、いつの間にかと全県の番号を覚えているはずです。
原則
県番号の基本は、北から南、東から西です。例外はありますが、その都度覚えれば問題ありません。北から南という原則なので、1番北海道、47番沖縄県は省き、東北から行きます。
東北
青森が最初で福島が最後は原則通りですが、間の4県がいきなり例外的です。原則なら岩手→秋田、宮城→山形とくるはずなのですが、ここはなぜか太平洋側の岩手、宮城のあと、日本海側の秋田、山形となっています。
例外といっても覚えやすいですね。
関東
関東は南北に4列です。北から順に北関東3県の茨城→栃木→群馬、次に埼玉、そして千葉→東京、最後に神奈川の4列です。
キリ番の10番は群馬県です。
中部
3列に分かれます。新潟→富山→石川→福井の北陸、山梨→長野→岐阜の中央高地、静岡→愛知の東海、以上の3列です。
キリ番20番は長野県です。
東海には次の三重を入れるときれいに収まるんですが、三重は次の近畿に含まれるんですね。文化的にも中京圏に近いので、近畿よりは中部に含めたいところです。
近畿
近畿は南北2列です。三重→滋賀→京都→大阪→兵庫が上の一列で、奈良→和歌山が下の列です。
和歌山がキリ番の30番です。
中国
山陰と山陽の2列に分かれます。山陰が鳥取→島根、山陽が岡山→広島→山口です。
四国
南北2列です。徳島→香川→愛媛と高知です。
九州
南北3列に分かれます。上から福岡→佐賀→長崎、次に熊本→大分、そして宮崎→鹿児島と続きます。
2列目の熊本から大分にいくところが、例外で西→東となります。
キリ番40番は福岡県です。
1から覚える場合
都道府県名なんて理屈はないですから、とにかく位置と番号と名前を一致させることです。
番号を指し示しながら、北海道、青森、岩手、宮城・・と声に出すと覚えやすいです。それを沖縄まで30秒くらいで言えるようになれば口が覚えてくれます。
全部覚えたら、白地図で確認です。
最後は頭の中だけでできれば完成です。
最後に
頭の中に日本の白地図が浮かぶようになれば、そこには都道府県名と県番号、次に県庁所在地を入れていくことができます。さらに名産品、出身有名人などを配置していくと、彩り豊かになって楽しくなってくると思います。せっかくなので、いろんなものを片付ける場所として使いましょう。
私は地図記号を日本地図の中に収納していますが、その方法は近々紹介します。
こういう「片付け場所」をたくさん覚えておくだけで記憶力は伸び、それに従って考える力も伸びてきます。
世界地図、周期表、東海道、などなど、「片付け場所」は人それぞれ、その気になればいくつでも作れます。是非とも色々と覚えることをお勧めします。(私のもので良ければ、いつかご紹介できるかもしれません。)
ここまで読んでくださいましてありがとうございました。
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ありす (木曜日, 30 9月 2021 18:36)
よくわかった。
管理人 (金曜日, 01 10月 2021 21:25)
よかった!