こんにちは。大崎です。
先月にたまたまテレビで蚊の研究をして成果を上げている青年、田上大喜くんの話題を続けて見ました。一言で言って彼は天才だと思いますが、天才ってどんな人なのでしょうか。
天才には2種類あると思います。最初からものすごい才能を示している超天才と、好きなことを見つけて没頭した結果として能力を発揮するに至った天才です。今回扱うのは後者です。
私の思う天才像とそれに近づくにはどうすれば良いのかについて考えて見たいと思います。
天才がうらやましい
田上大喜くんのプロフィール
7/17放送の「マツコの知らない世界」でたまたま目にしたのが田上大喜くんでした。これを見て興味を引かれたので、7/27の羽鳥慎一モーニングショーでも特集されると知り、そちらは録画して見ました。田上くんについての詳しい話はあらゆるブログ・サイトに書かれていますからそちらをご覧いただくとして、ここでは簡単に紹介します。
米国生まれでオーストラリア、シンガポールで幼少〜少年期を過ごし中3で日本に帰国しました。シンガポールで、デング熱対策の蚊撲滅作業を目の当たりにした田上くん。蚊に興味を持ち、帰国してから研究に没頭していきます。
その成果が形となったのが筑波大学が主催する「科学の芽」賞の受賞です。田上くんは高2でした。
研究内容は「蚊が何故人間の血を吸いたくなるのかを、ヒトスジシマカの雌の交尾数で検証する」というものです。足裏の常在菌の種類の多寡が蚊の吸血を誘発し、交尾数が増えることを発見しました。
そのため、蚊に刺されないようにするには足裏を除菌シートで拭くと良いそうです。
普通の子と何が違うのか
田上くんの名前は覚えていませんでしたが、この件は新聞報道などで知っていました。息子と年齢が近いこともあり、こういう話題にはアンテナを張っていました。
この種の報道を見るといつもうらやましい気持ちになりました。嫉妬ではありません。ただひたすらに羨望です。息子が小さい頃は、うちの子も是非ともああなって欲しいという願望を持っていましたが、年齢を重ねるごとにどうやら「選ばれる」ことはなかったんだな、とあきらめる気持ちになっていきました。
我が家では知的なことに重きを置いて育ててきました。
詳しくはこちらをご覧ください。
だから小さい頃から図鑑を備えて、博物館に足繁く通うなど、知的活動に勤しんできました。私が俗っぽいので徹底できなかったかもしれませんが、頑張って来たとは思います。
息子が何かに興味を示したときに邪魔をしたことはありません。鉄道が好きだったので、妄想で鉄道路線を描くことにハマったことがありました。それに没頭する息子の姿を見て目を細めていた覚えがあります。やっていることは何の役にも立たないでしょうが、研究できる才能の萌芽かもしれないと喜ばしく見ていました。親バカですね。
しかし残念ながら、田上くんが蚊に対して抱いたような興味を息子が持つことはありませんでした。こればかりは思うようにはいかなかったです。
好きなことを見つけて続けられた人は天才
私の希望は、息子に好きなことに没頭できるような研究者になってもらうことでした。好きなことを仕事にできたら幸せだろうなと思い、それには研究者だ!と単純に考えたからです。そしてできることなら大学進学前に好きなことを見つけてもらって、その道に進んでほしいと考えていました。(妻は医者になってほしいとずっと言ってましたが。)
息子も自分なりに一生懸命何かに興味を持とうとはしてくれました。その結果地震やそれにまつわる防災、航空分野など、興味があることは見つかったのですが、蚊の研究のように自力でできる身近なものではなかったこともあって、同程度に興味があった医学に負けてしまいました。(選択の決め手のひとつは将来性でしたが、それに焦点を当てると趣旨がズレるので別の機会に譲ります。)
結局、学術的なものに興味を持ってくれるかどうかは運次第ではないでしょうか。好きなことが見つかるかどうかは運命的なもので、おそらく誰にでも訪れるものではありません。だからこそ、好きなことが見つかった子は、天から与えられた才能を持っているとみなしても良いと思います。好きなことを見つけそれを続けられる人はまさしく天才なのです。
凡人が天才に対抗するには
与えられたことに全力を尽くす
息子は残念ながら天才ではありませんでしたが、それに対して過度な期待していたわけではなかったので、落ち込むということは全くありません。宝くじに当たらないからといって本気でクヨクヨするのはおかしいでしょう。それと同じことです。
凡人と判れば話は簡単です。目の前のことをやるしかないわけですから。息子の場合は高3の秋まで進路に悩みに悩みましたが、医学部と決めてからは覚悟を決めて突き進みました。そもそも将来の職業までほぼ決まってしまう医学部の選択は18歳の未成年にはちょっと厳しい気がしますが、そういう制度ですから仕方ありません。そして決まった以上はヨソ見をせずにやるべきことをやる、というのが正しいことです。
それは現在も同じで、大学の勉強を頑張ってやっているようです。既に大学受験の頃よりも長時間勉強しています。幸い成績も上位で、少なくとも留年の心配はしなくて済みそうです。
医者になるなら勉強するのが当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、勉強をしない学生は本当に多いそうです。「自分よりもずっと早くから医者になりたくて医学部を目指していた奴らばかりなのに、入学できたら勉強しないってどういうことか。」とこぼしています。まあ、そんなエラそうなことが言えるくらい勉強している自負があるのでしょう。そこについては頼もしく思っています。
やるべきことをやっていれば総合的な実力が付いて、できることは増えていきます。その中で、好きな分野ができたりやりたい研究が見つかることもありえます。自発的に見つけたことではなくても情熱を傾けられることが見つかれば、それは自ら勝ち取った才能であり、天才と変わらない力を発揮できるでしょう。事実、それで成功した研究者も多いと思います。それもやるべきことをやっていてこそ起こり得ることです。
いつまでも自分探しをしない
目の前にある勉強をしないだけでも困ったことですが、自分のすべきことはこれじゃない、と思ってしまうと大問題です。自分には向いていないとか、もっと他に天職があるとか考えて、せっかく就職した会社を3ヶ月も続けられずにやめることがあると聞きます。そして自分に向いていることを探すのです。あるかどうかわからない「自分探し」ですね。
自分探しをするということは、いくらでも続けられる好きなことを探すということでしょうが、その難しさは前述した通りで運の要素がとても強いものです。見つかるか不明なものをいつまでも探すことは生産的ではありません。
医歯薬のような専門性の強い学部は高校生の内に、そうでない学部へ進学した場合でも大学3年生になる前に決断を下して、後はその道を極めるつもりでやらないと、なかなかものにならないのではないでしょうか。
天才はそのまま突っ走ってほしい
凡人は与えられた場所で力を尽くすとして、一方のやりたいことや好きなことが見つかった天才には、行けるところまで行ってほしいと思います。思うがままに研究してそれが人類の発展に寄与すれば素晴らしいことです。そして可能ならば、日本の国益につながってくれればありがたいです。
蚊の研究の田上くんは、英語が堪能ということもあったのでしょうが、コロンビア大学に9月に入学するそうで、現在既に現地で研究をしているとのこと。現時点では米国の大学の方が全てにおいて条件がいいのでしょうが、日本の大学もそういう人材をつなぎ止めておくのみならず、海外の優秀な人材を集められるようになってもらいたいと思います。私が生きている間にそんなことが起こってほしいと切に願っています。
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