覚えたい項目を4秒以内で言えるフレーズにする暗記法を作って覚え、学習の根幹として設定したベース本をスラスラ読めるようになるとその単元のインプット学習はひとまず一段落で、あとはそのサイクルを繰り返したり、アウトプットで練習問題を解くなどしてレベルを上げていくことになります。
そのインプット学習を終えた一段落のところでもう一手間かけて、全体を見渡せるようなまとめを作ると理解は盤石になります。
そこで今回は学習を1枚の紙にまとめ上げる方法についてご紹介したいと思います。
インデックス
なぜ1枚にまとめるのか
理解を深めたり確認したりできる
ひとつの単元を1枚にまとめると、その単元全体をながめることができます。全体を俯瞰することで、暗記法で覚えた個々の事例・項目が関連を持ってつながる様子を把握できるのです。
個別事例は他の事例と結びつくことで強固なものになり、生きた知識となってきます。どうしてその知識が必要なのか、全体の中でどういう位置づけになるのかが判るようになるからです。それぞれバラバラだったものがつながりを持って全体像を作り上げていきます。
もしここで全体像が見えてこないとなると、個別事例の理解が足りないか、何か抜けていることがあると考えられます。だからまとめを作成することはその単元を理解できているかどうかの確認になります。不足部分があるならば、それを補うために何をすればよいかを考えれば良いのです。
復習が楽になる
復習がしやすくなることも、まとめを作る目的のひとつです。ベース本を決めると、それをスラスラ読めるようになることが大きな目標ですが、復習する度にいちいち読むのでは手間がかかり過ぎます。普段はまとめにざっと目を通しておき、時間があるときにじっくりとベース本を読むようにすると良いでしょう。
試験直前に見る
1枚まとめを繰り返し復習していく課程で、ベース本やさらに詳しい参考書などを読んで得た情報を加えていくこともできます。同時に、これはもう完璧に覚えたから必要ないということなどを削ぎ落としていくこともできます。そうしてできあがったまとめは自分の知識や理解を集約したものになります。
それはもう最終段階の復習ツールです。試験会場に持って行くものはコレになるでしょう。中学受験のときには持たせました。また、中学高校での定期テスト対策として、最終的にテスト直前に目を通す1枚まとめを作ることを目標の目標とさせました。他の人用ではない自分専用のまとめというところも良いところです。自分の力で仕上げて来たという自信にもなります。
位置で覚える
1枚の紙にまとめられていると、紙のどの位置にどの情報が書いてあるか、何度も復習していればわかるようになります。覚えたことを頭の中で再現することはとても効果的な勉強法で、この場合は情報の位置を再現することで理解の定着度が増します。
そして試験本番で思い出すときにも、あのまとめの下の方に欲しい情報があったな、ということも大いに起こり得ます。これは最終手段で、そもそも覚えるべきは完璧にしてから臨むのがベストですが、人間ですからど忘れということも当然あります。そのとき、1枚の紙にまとめる学習法を採用していれば、少しなりとも確実に思い出す確率が上がります。
まとめる方法
1枚にまとめる方法として手っ取り早いのは、暗記法を作った紙をそのまままとめとして使用することです。特に、覚える項目の数が少ない場合はそれで十分です。
しかし、たくさん覚えることがある場合には、暗記法ではごちゃごちゃしてしまってやりづらいという人は多いと思います。
そこでぜひオススメしたいのが、情報を視覚化してまとめる技術です。ぱっと見て印象に残るのは間違いなく、文字中心の情報よりもイメージ図ですから、その技法を知っておいて損はありません。
マインドマップ
「情報の視覚化」の代表格といえばマインドマップでしょう。トニー=ブザン氏が発明した学習ツールです。最初このワードを聞いたときは、カウンセリング的なものか宗教をイメージしてしまいましたがとんでもない間違いで、学習する上で実に有効なツールであることがわかりました。
ご存じない方のために簡単にお話ししますと、マインドマップは中心にまとめたいことのタイトルやイラストを描き(セントラルイメージ)、そこから放射状に枝(ブランチ)を伸ばして、その上に関連するワードを書いて細分化していくことでできる1枚の構造図です。
(より詳しくはこちらへ。マインドマップ専門家のページで参考になります。
「分かるとは分けること」という言葉があります。理解できることは部分に分解することができるという意味です。言われてみればその通りで、例えば岩石について理解しようとすれば、まずそれを特徴に応じて堆積岩、火成岩、変成岩の3種類に分類します。そして深く学習するにつれて、それぞれの種類のさらに細かい分類へと進んでいきます。
そして細分化された部分は、たどっていくと必ず全体を象徴するセントラルイメージ(この場合は「岩石」)に行き着きます。全体から部分へ、部分から全体へ。これをいっぺんに1枚絵としてながめられる(俯瞰できる)のがマインドマップの最大の特徴です。自作したマインドマップは最高の復習教材となることでしょう。
ちなみにこのマインドマップは、上にある暗記法と同じ範囲をまとめたものです。思い出すという点においてはマインドマップの方に軍配が上がることがわかると思います。
フィッシュボーン
フィッシュボーンはその名の通り魚の骨のような形をしています。1952年に東大名誉教授の石川馨先生が開発した図で、純日本産の学習方法です。
形こそ違いますが、マインドマップと基本的な考え方は同じです。マインドマップは中心から外へと放射しているイメージであるのに対し、フィッシュボーンは中央へ収束する感覚です。そのため、発送を広げるにはマインドマップの方が適している気がしますが、記憶という点に絞るなら、フィッシュボーンの方が向いていると言えるかもしれません。
どちらも優れた学習方法なのですが、多用したのはマインドマップの方です。理由は簡単で、iMindMapというソフトを購入して使っているからです。バリエーションとしてフィッシュボーンももっと使いたいのですが、やはり楽なのが一番と言うことで、パソコンで使えるマインドマップの方を使うことが多くなるのは当然です。
ただし、歴史についてはしばしばフィッシュボーンを使いました。中心が頭と背骨の部分なので横に長いため、時間軸を表現するのがマインドマップよりもやや得意だからです。
ソフトがあればマインドマップをオススメしますが、そうでないならどちらのツールを使っても良い効果を生み出せます。気分に応じて使い分けると良いでしょう。
1枚にまとめる方法を実例とともに見ていただきました。
弱点があるとすれば、手数がかかることでしょうか。確かに時間はかかりますが、復習にかかる面倒さを考えると、十分なお釣りがきます。かけた手間以上のリターンがあるので、ぜひともチャレンジしてください。
慣れないうちは難しいかもしれませんが、初心者のためのマインドマップや書籍を読むとすぐにできるようになります。ネット上にも良いマインドマップはたくさん転がっているので真似をするのも良いでしょう。私もインストラクターのようにはいきませんが、ブログ上に載せていきますので参考程度にはなると思います。
それに、マーカーや色鉛筆を使ってマップを作成していく作業は、なかなか楽しいものです。子供の食いつきも良いと思います。まず1枚、親子で作ってみるのがオススメです。
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