息子の6年時、秋も深まり、そろそろ受験校を確定する時期となりました。模試も受けました。あまりにひどければ第一志望から考え直さないといけないと思っていましたが、そこそこ及第点だったので、麻布を本線とするプランはそのまま決行となりました。
しかし複数受験のできる東京の中学受験。併願校も決めないといけません。
今回は受験校決定に至るまでを振り返ることにします。
インデックス
一般的な併願プラン
中学受験の盛んな地域にお住まいの方には常識ですが、そうでない方々も多いと思うので、簡単に一般的な受験校併願のプランについてご説明します。
まずはチャレンジ校です。ほぼ不可能だけどあわよくば、という奇跡を願って受ける場合は文句なくここに含まれます。この場合は第一志望というには虫が良すぎます。実質的にはただの記念受験です。
チャレンジでも、苦手なところが出なかったなど、運が良ければいけるというギリギリの挑戦もあります。次の適正校との境目ですが、不合格可能性の方がやや高いかもしれません。でもここからの合格者は案外多いと思います。一番うれしくお得な第一志望突破ですね。
続いて適正校です。普通に実力が発揮できれば合格できるはずの学校です。アクシデントに見舞われなければ大丈夫というレベルの受験校になります。堅実なご家庭はここを第一志望にしていると思います。
そして安全校です。失礼な言い方をすれば滑り止めですね。少々の失敗があっても合格できるレベルの学校です。塾ではここを受験するよう指導されることが多いようです。受験業界を潤すためという見方もできますが、全不合格だとトラウマになってしまうから、それを避けるためということのようです。まだ12歳です。おそらくは初めての大きな挫折でしょうから、その痛手を小さくする必要がある子は少なくないに違いありません。安全校を受ける意義は大きいと思います。
以上、チャレンジ校、適正校、安全校の3分類です。もう少し細かい分類の仕方もあるようですが、これと大差は無いと思うのでこれで進めます。
ここまでは当たり前の話で大学受験(特に私立)と同じようなものです。違いがあるのは、中学受験の日程は東京であれば2月1日からの5〜6日間に集中している点です。地方の学校の東京受験や千葉の学校は1月後半だったりで、多少前後することはありますが、基本的にはこの短期間に上記の分類で受験校を振り分けていかないといけません。ここが悩ましいところです。
日程とにらめっこしながら、チャレンジ校は0もしくは1校。適正校を1〜3校、安全校1校くらいで考えるのが一般的なところではないでしょうか。
第一志望に変更なし
第一志望は麻布
我が家での第1志望は、6年生の春に決めた麻布で変わりありません。一般的な分類では息子にとってチャレンジ校になると思います。ただ、私たちとしては玉砕しにいくつもりはまったくなく、勝算ありというか合格する気満々。というのも、過去問の出来が十分だったからです。
大人の資格試験では過去問重視というか、過去問しか勉強しないという資格がたくさんあります。宅建、行政書士、司法書士など軽いものから重いものまで様々です。私もそういう意識を持っていたので、中学受験の過去問をあまり重要視していないようなところは疑問に思っていました。
模試で好成績を出せなかったとしても、過去問との相性が良ければ合格できると思っていました。実際、合格可能性80%偏差値よりも10以上低いところからの合格者も毎年いることを考えると、偏差値が絶対とは言えません。息子は一般的受験生から外れたアウトサイダーで多少実力を測りづらい部分もあるでしょう(あってほしいという期待)。過去問対策を確実にやっておけばひっくり返せます。
そんなわけで、息子には麻布の過去問をかなりしっかり取り組ませました。早い段階から10年分を少なくとも2〜3回繰り返してきました。その結果わかったことは、問題との相性は悪くないということと、問題の質が素晴らしいということでした。
麻布の問題
麻布の入試は良問だということは有名な話でした。ちょっと中学受験に興味があっていろいろと読んだり調べたりすれば自然と目にする情報です。塾講師も惚れ込む問題などの賞賛もありました。
全科目、記述が多い思考問題中心です。算数は中数の学力コンテストで慣れていました。理科は極端な話、知識がなくても考えていけば解ける問題ですし、社会は理科ほどではないものの、要求する知識はあまり多くなく思考を要求する問題です。課題は国語の物語ですが、過去問を解くことで登場人物の心情をそこそこ汲み取れるようになっていました。全般的に見て問題は息子に向いていると思いました。
そんなわけで、第一志望は悩むこともありませんでした。
できれば私立へ行かせたい
公立は避けたい
頭を痛めたのは他の受験校です。全部落ちて公立中学に行くことはできるならば回避したいところでした。なぜなら、両親ともに私立中高出身で経験がないからです。
これが県下のトップ校が公立というなら話は別です。だいたい伝統ある学校で、勉強する雰囲気はあるでしょうし、東大合格者を二桁出しているような高校も少なくありません。そういう学校を狙って、公立中学でも成績上位層は優秀な子が多いと思います。
しかし東京は私立優位の時代がかなり長く、しかも近所の公立中学の評判もあまり芳しくありません。親としてはやはり心配なので、できることなら中高一貫校に行ってもらいたいです。
安全校は受けない
かといって、何が何でも絶対私立とまでは考えていません。あまりにも進学実績に乏しい学校だと、その空気に馴染んでしまったときに不安があります。
そこで目安として、東大、京大、国公立医学部の現役での合格者数が10人を下回る年が頻繁にあるような学校はやめておこうと話し合いました。それならば公立中から学芸大付属や日比谷を狙っていこう、開成などの私立も受けられる、ということで基準は決まりました。それによって安全校は受けないこととなったのです。
適正校から受験校選定
通える範囲で、息子の偏差値との隔たりが小さく、合格実績が希望の範囲内、というのが条件です。校風については、第一志望を決めるときと同様にあまり気にしませんでした。ただし実際見に行って、ちょっとイメージが良くなかったというところは受験校からは外しました。ほんの1、2校です。
息子の偏差値は秋に受けた模試2回(60.0→64.0)を平均した62.0です。実力は伸びている実感がありましたから、もう少し上で考えたかったのですが、数値は数値として水増しはしないことにしました。とはいえ、前述したように問題との相性でひっくり返りやすいという意識は持っていました。(ちなみに第一志望の麻布の合格可能性80%偏差値には当然届かず、50%偏差値にやっとというところでした。)
その偏差値を元に、合格可能性80%偏差値が62.0前後のところから選びました。学校名は日程を全て詳しく書くと特定できるのでご勘弁ください。(まだそこまで息子から許可が降りませんので。)それくらいの偏差値ですから、鉄緑会の指定校ではないということは申し上げられます。それを2〜3校と、2月6日に攻玉社の算数特選があるのでそれを加えて受験校を確定させました。
1月中に願書を出して準備を済ませました。家庭内の雰囲気も良く、健康にも気をつけて直前期を乗り切りました。あとは2月本番を迎えるのみです。
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