勉強面では父と子の二人三脚で走ってきた中学受験は無事に合格を手にして終了しました。
一番良い結果は得られなかったものの、中高一貫校に進学するという最大の目標は達成できました。だから総合的に評価すると80点という自己採点になり、おおむね満足というところです。
満点ではない要因の大半はもちろん受験本番での失敗にあります。そこら辺の反省を中心に、逆に良かった面も含めて、塾なし中学受験の総括をしたいと思いますのでどうぞお付き合いください。
インデックス
敗因分析
お試し受験をしなかった
2月1日が初日だった息子は立ち上がりの調子が悪く、エンジンが掛かり始めたのが3日。4日になってやっと本調子になりました。
4日校の算数は最初の計算以外全部できていました。こんな感じで算数で稼ぐことが大きな戦略の柱でしたから、やっと計画通りに進みました。それでも1問計算で落としているんですけれど。
そこから考えると、やはりお試し受験はしておくべきでした。2~3校経験を積んでおけば、肩が温まるのがもっと前倒しになったでしょう。雰囲気に飲まれる確率も少しは減ります。
そもそもお試しを回避した理由は2つです。1つ目は落ちるのが怖かったことです。過去問対策もせずに臨んで落ちてしまったら、本番に向けての勢いが削がれると思ってしまいました。
もうひとつの理由は本気でやらないものに意味はない、という信念を持っていたことです。お試しとは言っても、そこが第一志望の人もいます。そういう中に入っていくことに抵抗があったという見方もできます。
どちらの理由もちょっと堅苦しく、そして頑固過ぎました。模試以上に本番に近い時期に、どれくらいミスをしないでやれるかということに目的を絞るだけでも十分に意義がありました。
落ちるのが怖ければ結果を見ない選択も可能でした。それに考えてみたら落ちたら落ちたで、進学する気がないのですからそこまで落ち込む必要はありません。目的である力を出せたかどうかだけを反省し、出せなかったならばそのミスを繰り返さないことに注力すれば良かっただけでした。失敗がお試しの時で良かったな、とうまく言いくるめることもいくらでもできました。
本気の人も混じった雰囲気を味わうことは模試ではできなかったことですから、その中で試験を受けることは経験値を得られたはずでした。
この経験はのちに大学入試の時に活かされることになります。
実力不足
お試し受験をしていれば、合格確率が上がったことは間違いないでしょうが、全部お試し受験のせいにするのは虫が良すぎるというものです。やはり実力が足りなかったという事実は認めざるを得ません。
東大合格者は毎年3000人ほどですが、下の1000人はもう一度入試をすればごっそり入れ替わるという話を聞いたことがあります。その1000人も実力はあるんです。でもその下で落ちた1000人も拮抗した実力があるということなのでしょう。
息子も結局第一志望の麻布に対してはそのような位置にいたのです。複数回やれば合格できたでしょうけれども、受験は一回きりです。これは何度やっても合格できる実力を付けない方が悪いのです。
実力不足の最大要因は、算数に頼りすぎたことです。算数は差を付けることのできる科目ですが、ミスの出やすい怖さもあります。ちょっとしたミスで大きく減点されてしまいます。そのときに補ってくれる科目を作っておかなかったことが敗因です。
国語はかなりいい線いっていたので、もう少し時間をかけて得意科目と言えるところまで引き上げておくべきでした。
社会はあまりにも普通すぎました。勉強は回転数と知っていながら、回転が足りませんでした。暗記が得意な私が、それを息子に伝えられなかったことは痛恨の極みです。
全般、ちょっとずつ考えが甘かった私の戦略ミスでした。息子や妻には申し訳ない気持ちです。
受験生活の反省点
ややメリハリに欠けた
平日の勉強は2時間までと決めていましたが、2時間きちんとやったのは6年の秋以降だけです。それまでは1時間くらいが多かったですね。算数の日々の演習をやって、暗記法などをちょこちょこっとみて終わりという具合でした。もっと厳格に時間を決めて、やるべきときにはやるという風にメリハリをつけるべきでした。
これはリビング学習の特徴ですが、いつでもすぐに勉強に入れる反面、すぐにのんびりできるという危うさも持っています。テレビを見ながらだらだら勉強することも少なくありません。ながら勉できることもあるので、一概に悪いとは言えませんが、もっとオンオフの切り替えは必要だったと思います。
目標がハッキリしなかった
主として第一志望の敗因分析ということで、いくつか上記しましたけれども、では麻布に合格することを最大の目標としてやってきたかと問われれば、YESとは言い難いです。
私たち夫婦の一番の望みは、息子を中高一貫校に行かせることであって、具体的にどこに行かせたいというのはありませんでした。中学受験に向けて勉強し実力を付けた結果、自然に進学先は決まってくるだろうと思っていました。
努力しなかったわけではありません。それこそ低学年の時からたくさんの中学校に足を運んできました。そこで気に入った学校が見つかれば良かったのですがうまくいきません。よく見学に行った子供が気に入って、どうしてもあそこに行きたい、みたいな話はよく目にしてきましたが、息子にそういう奇跡は起きませんでした。結局、行けそうな高めの学校ということで麻布に決めましたが、熱量が小さかったのは否めません。どうしても行きたい行かせたいという執念がなかったのも、小さいながら敗因だったのでしょう。麻布の自由な校風に憧れ、どうしても行きたいと思う子の方が行く方が正しいのは確かです。
本来の目標であった中高一貫校進学は果たせましたが、情熱が薄いながらも第一志望を設定して落ちたことで、やはり心から喜べません。特に息子は不合格という事実がトゲのように心に刺さってしまい、それを完全に払拭するまで今後何年もかかることに、この時点では気付いていませんでした。
良かったこと
良かったことはたくさんあります。そのうちあらためて、この内容に特化した記事を書きたいくらいたくさんあります。
何と言っても一番良かったことは、小学生時代に親子の時間がたくさん取れたことです。我が家は親子仲は今に至るまでずっと良いですが、それでも中学に入ると行動を共にする機会はどうしたって減ってしまいます。最も親子関係の深いこの頃に、休日あちこち出かけたりできたことは大きな財産です。友達ともずっと遊べました。塾の友達関係もとてもいいものですが、子供にとって遊ぶことはやっぱり特別なことです。
麻布はチャレンジ校と割り切って、もっとのびのびやれていれば、不合格でも100点の受験生活だったかもしれません。でもそれではちょっと本気度が下がってしまうので、落ちるのも悪い経験ではないと私は考えています。この年齢で挫折を味わって、しかも無事進学先はできて、さらに現在では挫折を克服できているのですから、言うことなしです。贅沢を言っては切りがありません。80点で十分に満足です。
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