中学からは本格的に英語が始まります。息子の場合は、英語早期教育は失敗で実質的に行わず、小学校でチョロッとかじっただけの実力でした。中学から、1から始める英語です。
結果から申し上げると、英語は最終的に得意科目となりました。大学入試においても、おそらく一度も失敗したことはなく、得点源として非常にありがたい科目でした。
帰国子女でなく、幼少時から英語に力を入れていない一般的な初心者レベルから、どうやって得意科目となるまで引き上げたのか。今回はそのとっかかりの部分について取り上げていきます。
インデックス
- 物量作戦
- 学校で使用した教材
- 発音
- 英語は守備の科目
物量作戦
量を重視
❝英語なんて言葉なんだ。こんなものやれば誰だってできるようになる。
これは東進の安河内先生の言葉です。このフレーズは数年前のテレビCMでよく流れていましたね。数多い大学受験向けの学参・問題集の中で、安河内先生の著作物を選んでこなかったし、もちろん東進の授業を経験したこともないので、この真意や細かいニュアンスは分かりません。けれどもこれをCMで聞いたとき、とても共感できたことを覚えています。
私は次のように解釈していました。
「英語は言葉である。母国語ではないから理屈を覚えることも必要だが、言葉である以上耳から聞いて口から出して慣れないといけない。慣れるためには物量を投入すべし。そうすれば誰でも英語はできるようになる。」
そういう方針だったので、とにかく量をこなさせることと、日々コツコツ英語学習を行わせることに気をつけました。文法等も、その理屈を考えなくても済むくらい、英語そのものに慣れること重視です。理屈は後からついてくるものだと見なしてました。
物量投入は泥くさくて非効率的な勉強法です。要点を押さえて短時間で済ませるようなスマートなやり方ではありません。しかし英語に関してはある程度の量をこなさないと身につかないと思います。
私達の時代ならば、英語は文法と読解ばかりで、リスニング(当時はヒアリングと言われました。)も実施しない大学が多く、しかも配点も少なかったので、スマートな学習法も通じたかもしれません。でも今はリスニングは必修で、文法の比率は減り、英文はやや簡単ながらも長文が多くなりました。対応するには英語を体に染み込ませておくのが最適です。だから泥くさくやる方が、急がば回れで確実に力が付くと考えました。
物量を投入する意義
習うより慣れよ、で体に染み込ませるように英語を勉強すると、英語が安定した得点源になります。これに勝る利点はありません。
また、2020年度よりスタートする大学入学共通テストから英語の試験は外部試験を選択することができるようになります。それらの外部試験ではリーディングとリスニングに加え、スピーキング、ライティングを課す試験もあります。それらに対応するためには、付け焼き刃の学習では高い英語センスがないと困難です。地道な物量投入による学習を中1から続ければ、英検2級で良いならば遅くとも高2時には、ほぼ100%合格できるはずです。準1級も十分視野に入ってきます。
具体的なやり方
どんな教材でも、可能な限り音源を用意し、徹底的にそれを聞き込んで真似して話す。シンプルにこれだけです。
真似して話す方法は、音源に自分の声を重ねるオーバーラッピングと、聞いた音源からやや遅れて真似していくシャドウイングがあります。息子はオーバーラッピング中心にやっていました。でもできればシャドウイングまでやった方が力がつきます。当初は私がシャドウイングを知らなかった上に、その効果についてよく理解していませんでした。それが年月が進むごとに地位を高め、今では英語学習の本命となっています。多くの英語学習者が実践して効果を上げている証拠です。だから、これから英語をやるならばシャドウイングまで絶対にすべきだと思います。
このやり方による英語学習にかける時間は毎日10〜20分程度です。通学時間などのスキマ時間をリスニングに当てれば、簡単に捻出できます。しかも数学などと違って頭が疲れることはないので、楽な勉強と言えます。
学校で使用した教材
息子の学校で採用されていた教材はプログレス21でした。私立中高一貫校でよく使われている有名な教材です。ところが息子の英語の先生はこの教材使用に熱心ではなく、音源の使用も勧められませんでした。
プログレス21という教材は、間違いなく音源を使用することを前提として作られています。だからはっきり言って音源がセットでないと意味がありません。
ただし問題は、プログレス21の音源教材は専用機器を使うので高価だということです。本体約2万円、ソフトが約1万円で数本あります。あまり使うつもりがないならば購入を勧めなかったのもうなずけます。我が家では購入しました。
けれどもそれならば、最初からプログレス21を使うべきではありません。英語の授業は文法中心で、先生作成のプリントで進められました。私が学生時代に受けたようなクラシックなスタイルの英語でした。プログレス21は、本編の主要登場人物による会話中心のところにはほとんど触れられず、サブの読み物がテストに出されるくらいでほとんど使われませんでした。その部分だけに高い音源教材を使うのはもったいなかったです。それでも、そのときに聞いて話したことは役に立っていますし、音源なしの学習はちょっと考えられません。ただコスパが悪かったですね。
ただ英語の先生の文法中心の授業はクオリティが高く、それはそれでとても役に立ったことは付け加えておきます。
基本的には学校の勉強以外やらせませんでしたが、自宅でのサブ教材として瞬間英作文には取り組みました。英語に慣れるのと、スピーキング練習に効果があるし、中学レベルの文法の復習にもなるので良い教材でした。
発音
発音学習は必要か
発音は下手でもいい、伝わればいいんだ、という考えが昔は多かったような気がします。でも実際海外に行ってみると、下手では伝わらないことが多いですし、現地の人にもどうにか理解してやろうという苦労をかけることになります。入試ではあまり問われないですが、やはり発音が上手に越したことはありません。
それに発音が上手くなくても、発音の種類や出し方を分かっているだけでもリスニングに影響が出てきます。下手であっても、自分で出せる音だから聞き取れるということがあるのです。
英語は日本語よりもずっと音の種類が多く、同じように聞こえる音も実はきちんと区別されています。そしてその区別が付かなければ同じに聞こえてしまいますから、実際に区別を学んで自分で出してみることで違いがわかるようになるのです。だから発音学習はする方が絶対に良いと思います。
ネイティブ教師による授業
息子の学校でメインの英語の先生は日本人でしたが、外国人教師もいました。そこで発音を習ったようですが、ネイティブよりも英語のうまい日本人の方が英語教師に向いているというのが私の考えです。
ネイティブにとって英語の発音は、自然にできるようになったもので、勉強して身につけたものではありません。そのため、どうして日本人にとって発音が難しいのか本当にはよくわかってくれません。その点、発音の仕方を学んだ日本人ならば、どうすればその音が出せるようになるのか、日本人にはどこが難しいのかが分かります。そのため発音を学ぶという点においてはネイティブが優れているとは限りません。
ただし、外国人と触れあうことができ、コミュニケーションを取れることは大きな利点です。その後の英語学習意欲につながることも多いでしょう。そういう機会のためには外国人教師も大いに意義があると言えます。
だから、発音については自分で勉強することをオススメします。今ではYoutubeで日本人による発音解説の動画がたくさんあります。そちらを見て学んでから、学校にいるネイティブの先生と話して聞いてもらって評価していただけばいいんじゃないでしょうか。
ネイティブの英語に触れる機会ということで息子について言えば、洋楽に興味を持ったのは幸運でした。これは強制して好きになるものでもないのでありがたいことです。ビートルズに始まり、から80年代を主に聞いていました。歌を聴くことは外国語学習の補助に大変効果的です。
英語は守備の科目
英語は守備の科目です。サッカーでも野球でも強くするにはまず計算のできる守備を鍛えるのが常道です。今年の西武みたいに攻撃力で勝ち抜くことはありますけど、その西武の優勝も守備の要のショートに源田がいてこそです。決して守備がザルということではありません。
守備が強いチームは大崩れしませんが、英語も同じです。英語は一旦実力がつけば、いつでも安定した点数を叩き出すことができます。常に計算ミスや解法の選択を間違う可能性のある数学との違いです。そのため数学は攻撃の科目と言えます。当たれば非常に大きいが失敗の可能性も常にあるということです。
守備は時間をかければたいがい上手くなります。やはり英語も同じです。逆に、効率を求めた勉強をするのが難しいとも言えます。
興味深い事例があります。息子の大学で英語によるクラス分けがあったのですが、ある有名進学校の生徒が一番上のクラスにひとりもいませんでした。彼らはおそらく英語でしのいで数学で入ったのです。頭が良いので、英語も数学のように、地道に勉強するよりも要点を押さえて仕上げてきたのでしょう。でも英語でその方法だと、実力で他を凌駕することは不可能だという傍証と言っても差し支えないでしょう。
地頭で劣っている子でも、頭の良い子に勝てる可能性が最も高いのが英語です。物量投入による地道な学習によって、英語は是非とも得意科目にしてもらいたいものです。
以上、中学入学後の早い段階での英語学習についてのお話でした。大学受験に向けた教材等、より具体的なことについてはまた別の機会にしたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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