我が家では算数に力を入れてきたこともあって、中学受験において算数は息子の得意科目でした。だから数学も当然のようにできるようになるだろうという思いが7割でしたが、3割程度は未知への不安として残りました。
結果から申し上げると、数学は無事に得意科目になりました。やはり算数をしっかりやっておけばうまく数学に繋がるのです。
今回は、算数と数学の相関性と、算数の重要性についてお話します。
インデックス
数学への不安
中学へ進学すると数学が始まりますが、数学に対する不安がありました。覚える概念が多いことです。
算数の場合、大雑把に言えば四則計算ができて割合と速さが分かれば解けない文章題はありません。事象も現実的で想像可能でもあります。図形は同位角、錯覚、相似など覚えることはありますがどれも常識的なもので、知識よりも慣れの方が重視というイメージです。
それに対し数学は概念的に大きく広がります。まず負の世界が現れます。文字を使用するようになって、具体的に想像することが困難になります。そして関数を学んでいくとますます具体化できなくなり、座標の世界をイメージしていく必要が出てきます。
図形でも、知っていないと困る定理が増え、知識の比重が算数の時よりも格段に多くなります。
そのように、概念や知識が増えることが不安の種でした。飲み込みが早いとは言えず、新しいことを消化して使いこなせるまでに時間のかかる傾向の強い息子です。すぐには数学で点を取れるようにならないかもしれない、と危惧していました。
私は算数なら何でも教えられましたが、元々数学ができたことがありません。だから、数学になってもずっと教えてやるつもりはありませんでした。そこまですると、数学を学ぶ必要があって私の負担も大きいです。それにいつまでも教わってばかりでは成長もしません。とは言え、早い段階で行き詰まってしまったらどうしたものかという心配もあります。できる限り教えた方が良いのかどうなのか、ジレンマに悩まされていました。
算数と数学の相関性
算数で鍛えた思考力が活きる
心配は杞憂でした。冒頭で申し上げた通り、数学は得意科目になりました。不安な点はあったものの、やっぱり算数は数学に通じているようです。算数が得意であれば数学でつまづく可能性は極めて低いと思われます。
大きかったのは、算数でさんざん鍛えた考える力でした。元々理解力に優れているとは言い難い息子です。目から鼻へ抜けるようなタイプではありません。それでも、中学で習う程度の数学ではまったく悩むことはない程度の理解力を持つに至っていました。とことん考え抜くことは、全方位的(理解力、記憶力、洞察力、推理力、直感力等)に頭が良くなるというのは本当のようです。
中学数学は楽
中学受験を経た者にとって、中学で学ぶ数学は簡単過ぎるくらいなことも、すんなり数学に入れた一因でしょう。最初は大丈夫かと心配していた正負の数や文字に慣れることさえできれば、方程式や一次関数あたりは算数の延長のようなものですから、ほぼフリーパスで通過していけます。
図形も覚える定理等は増えますが、数多く問題に当たるいうやり方は、中学受験時と変わりません。何よりも慣れと直感力が大事で、論理が問われるわけではないので、時間さえかければ誰でもできるようになります。
中学で習う、場合の数や確率は中学受験の方が難しいくらいです。
中高一貫校は断然有利な理由
私が中学生の頃、灘中は中2で基礎解析まで進むと聞きました。今でいう数ⅡBの範囲です。中学の数学は中1の時には軽く終わっていたということです。きっと現在でも大差はないでしょう。そこまでではなくても、中高一貫校なら1年半〜2年でほぼ中学の範囲を終えるでしょう。
ここが大きくて、早く高校の範囲を始められます。はっきり言って高校3年間、受験があるので実質2年と9ヶ月で、数㈵Aから数ⅢCまで網羅するのは非常に困難です。ここの差が大学入試で一番出ます。楽すぎる中学数学を短縮することで有利な状況は作られているのです。
それも小学生のときに算数をしっかりとやっているからできることです。やはり算数と数学は根本が同じだからです。しかし小学校で習うことだけでは足りません。将来を見越してそれ以上のことをやっておく方が有利に決まっています。それにはモチベーションの上がる中学受験が最適です。
受験が盛んでない地域であれば、それなりのビジョンを持っていかないと、中学受験経験者に対して最初からハンデを背負うことになってしまいます。難しい算数をやっていないことと、中学数学に時間をかけ過ぎるという二重のハンデです。ハンデがあることを知っていれば対処もできます。
算数こそ数学を得意にする最も確実な方法
中学受験時に力を入れた算数のおかげで、息子は数学でかなり楽をすることができました。得点源になってくれたばかりでなく、他の人より短い時間で勉強を終わらせることができ、他科目に時間を割けました。これもすべて算数のおかげで、数学の才能は特にあったとは思いません。
息子によると数Ⅲは異質の難しさだそうで、最後の最後まで楽だったわけではありません。その話からも分かるように、息子は天才ではありません。しかし天才でなくとも、算数をやり込んでおくことで、中学高校で苦労する人の多い数学を得意にすることはできるのです。
小学校時代の算数は学校レベルのことをそこそこやるだけで、中学以降(特に高校)での数学を得意にする人はたくさんいるでしょう。でもそれは、算数とは別の方法で論理力が身についていたとか、人一倍努力をしたとか、あるいはそれこそ才能があったということによるのかもしれません。そんなものは真似できるものではありません。誰でもできるごく普通の努力で数学をできるようにするには、レベルの高い算数に取り組んでおくことが近道です。
数学を得意科目にするには、算数をやり込んでおくのが良いという、当たり前の結論になりました。でも当たり前というのも、よく理解しないとなかなか真似できません。算数の学習法については小学校時代を振り返った記事で、何回かに分けて書いていますので、よかったらそちらも読んで参考にしてみてください。
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