中高一貫校は高校受験がないので、目標が曖昧になりがちです。その点、東大合格者ランキングの常連校ならば、さほど迷いなく自然と東大や国公立医学部を目指していくことになるのでしょう。
しかし、中堅校ではそうはいきません。東大に合格できるのが上位数%以下ということもあり、最初から東大はちょっと難しいなと思ってしまう親子が多くなってしまいます。上位校を落ちてきた場合には自信もなくしていることもあるため、トップを狙う意気込みを削がれていることもあるに違いありません。よほど成績が良くなければ東大を狙っていると言いづらくなる雰囲気が漂っているとも言えます。
そういう中で、我が家ではどんな目標を立てて中学生活を送ることにしたのかについて振り返りながら、目標の立て方とそれを達成するために気をつけるべきことについてお話ししていきます。
インデックス
目標を設定する意義
目標はやる気の源
勉強をする上では目標は絶対に設定すべきです。目標がなければ何をしていいやら分からずにさまようことになるかもしれないからです。学校なり塾なりに通っていれば、それなりにやることは提示されるでしょうからそれを漫然とこなしていれば時間は過ぎていきますが、それではあまりにもつまらないでしょう。人間、やる意義を見出せないことには熱心に取り組めないようにできています。
その点、目標があれば全く違います。普段の退屈なルーチンワークも、設定した目標につながっていると思えば、はっきりとした意味のあるものになります。意味があるからやる気も湧いてくるし続けていく力の源泉となってくれるのです。目標があるとなしとでは大違いです。
目標の立て方
簡単にオーソドックスな目標の立て方を紹介します。程度の差はあるでしょうが多くのやり方に共通する最大公約数的な方法です。
目標には長期的なスパンで考える大きなものと短期的な小さいものに分けられます。大目標と小目標、そしてその間の中目標も含めて、大中小の3分類とします。
まずは大目標を掲げます。学生の場合、なりたい憧れの職業があるかもしれません。建築士になりたい、医師になりたい、裁判官になりたい、海外で働きたい、子供に関わる仕事をしたいなどが当てはまります。そこまで考えていなければ、ひとまず入りたい大学ということになるでしょう。
夢や願望があれば、それをそのまま大目標にすれば良いのでわかりやすいですね。
大きな目標が決まれば、そこにたどり着く前に達成すべきことがわかるはずです。ゴールに着くまでに通っていかないといけないチェックポイントのようなもの。それが中目標です。
行きたい大学が決まっていれば、その大学に入るのに必要な学力が大まかに分かります。最終的にその実力に達するためには、いつまでに数学をおわらせないといけないとか、英語準1級を取っておきたいなどの具体的な中目標ができるでしょう。それらの中目標を順次達成していけば、自ずと大目標が見えてきます。
中学入学時点で大目標を立てた場合、高3秋の模試でA判定を出す、数学を終わらせる。高2時点では偏差値70を出す、英単語5000覚える、いう感じで中目標がたくさんできていきます。大目標達成から逆算して考えていくので、先の方の中目標から決まっていくことになります。そうして中目標を設定していくと、それがどんどん遡ってやがて目標を立てた時点に近づいてきます。そうなると、最終的には目先の目標となり、それが小目標になっていきます。
小目標は直近の目標です。中学生なら目の前の定期テストがわかりやすいところです。結局は目の前の勉強を一生懸命やる、ということになるのですが、大きな目標につながっていると思えば、何のためにやるのかということを悩む必要がなく、モチベーションが高くなるというものです。
イメージできる限り、目標は現実になる
設定時にはとても届かないような目標でも、情報を集めて中目標を設定し、着実にこなしていければ高い確率で現実のものとなります。目標に向かう努力をしている姿を想像できている限り、あきらめる必要はありません。
ただし、設定した目標は可能な限りクリアしていくことです。本人は達成する気満々でも、現実にはとても不可能になっていたということはあり得ます。
本人は、少々の遅れくらいは後からスパートをかけて取り戻すつもりかもしれませんが、それだと博打的要素が強くなります。やはり着実なチェックポイント通過が望ましいのです。
中目標の設定が緩すぎるということも考えられます。まだまだ未熟なため、雑な目標を立ててしまいがちです。そういう事態を防ぐためには、親が調べてやることも大事なことです。幸い現在は情報には事欠きません。合格体験記は書籍でもネットでも数多くあります。ご自身に近いご家庭のものも必ずあります。親子で話し合い正確な情報を集めて、確実な中目標を立てたいものです。
根拠のある中目標をこなしていく姿をイメージできている限り、正しく大目標に向かっているはずなので、信じて突き進むべきです。
我が家の目標設定
目標は高く
ここからは、中学入学後に我が家で立てた具体的な目標について見ていきます。
大目標には東大を設定しました。我が家の教育方針の大きな柱は、将来なりたいものが見つかったときに実現できるようにする、ということです。そのためには、とりあえず東大を目指しておくのが成功する確率が高くなると考えました。この方針は小学校に上がる以前から漠然と持っていました。
近年、超一流校では東大では飽きたらず、直接ハーバード等米国のトップ校を目指す子も増えているようです。うちの場合はそこまで考えが至りませんでしたし、実際ちょっと難しかったでしょう。真似のできる情報もほとんどないですから、目標の設定からして困難です。幸い息子もそんなことは微塵も口に出さなかったので、我が家では目標は東大ということで問題なく決まりました。
問題があるとすれば、息子の通う中高一貫校からの東大進学者が多くないということです。これが校内の半分より上にいれば東大を狙えるような学校であれば心配もないですが、トップクラスに入る必要のある学校でしたから、そう簡単に事は進まないだろうと思っていました。結局、第一志望に落ちているので、そこまで自信を持てないということです。どうなるだろうかという不安はしばらく残りました。もちろん、やってやろうという意志も持っていましたが、不安が消えて自信に変わるまでには、中学後半まで2年以上かかることになります。
逆算して着実に登っていく計画
東大の良いところは、それこそあふれんばかりに合格のための情報が転がっていることです。どの時点でどのくらいの勉強を終わらせないといけないのかや、どれくらいの成績を出していないといけないのかが、かなり正確にわかるのです。
それにしたがって、高3秋の東大模試でA判定を出すことから始まって、高3夏の東大模試、高2高1で大手予備校の模試で東大A判定など、どんどん逆算して中目標が決まっていきます。
それらの中目標はざっくりとしたものです。そこに至るまでに何をしないといけないかを考えると、中学の間にトップを争うような位置にいることだという中目標ができました。具体的な数字は学年3位以内です。息子の学校でも、そこに入っていればかなり高い確率で東大にも合格できます。目に見える数字が出てきたことで、実現できるかどうかのイメージもしやすくなります。
そこまで決まると、あとは目の前の定期試験に向けてやっていくだけです。小目標はいつでも、一番近い定期試験でした。やることも決まっていてわかりやすいからです。入学後最初の試験が迫っていました。
目標はずっと東大と定めて中高生活を送ってきましたが、最後の最後で医学部を受験することになります。理3を受けられるくらいなら良かったのですが、そこまではできませんでした。でも、東大を目指し理3以外は合格できるような力をつけていたからこそ、急な転換にも対応できました。
これは、なりたいものになれるようにということで、国内ではトップの東大を目標とした我が家の方針が機能したということになります。高く目標設定をしておいて良かったと実感しています。
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