中学に入ってからの初めての定期試験ではそこそこの結果も出て、上々の出だしでした。
今回はそれに引き続き、中1時の定期試験を振り返っていきます。
インデックス
1学期末試験
続けないと本物じゃない
ひとつ試験を終えても、すぐに次がやってくる。これが定期試験重視でやっていく理由の一つです。常に目の前にある目標なので、やるべきことがはっきりしていて迷うことがありません。これに真剣に取り組むことが学生の一番の仕事と割り切ることが、余計なことを考える必要もなく、最も効率の良い方法です。
最初のテストが上々の滑り出しで、ひとまずは喜びましたが甘く見てはいません。続けて、あるいは高確率(最低5割)で好成績をあげなければ、ただのマグレと言われても仕方ないからです。
そこで2回目の試験での目標は現状維持としました。初めての定期試験で取った成績(上位10%)をもう一回出そうということでした。それができれば安心感が増します。
意外な結果
そのような心構えで挑んだ期末試験では、正に意外な結果が出ました。何と2位だったのです。しかも1位とは1点差。得点は9割に迫るという、申し分のない成績でした。
うれしいことではありました。しかし、目標を一気に越えてしまったことで、一方では怖くなってしまいました。わずかに残る不安を打ち消すために立てた目標を大きくクリアしてしまうことで、かえって不安が増すのは皮肉です。
新しい不安の理由は、この好成績をまた出さないといけないことから来るものです。うまく行き過ぎた感のある試験だったので、また同じ成績を出せる自信が伴っておらず、息子にとって余計なプレッシャーを感じることとなってしまいました。あまり良すぎる結果は考えものです。
実力テストを乗り切る
1学期期末試験の後は夏休みです。この長期休暇には中学受験お疲れさま旅行という家族イベントが予定されていました。そして勉強の方では数学の先取りでもさせようという計画でした。
ところが学校の宿題がとても多く、しかもそれの一部が夏休み明けの実力テストの範囲にもなっていました。予定は狂いましたが、それではやらざるを得ません。
実力テストではありますが、まだ1年の1学期分しか学習範囲がありません。元々定期試験に近いのです。しかも3科目だけの試験です。その上出題されるところが指定されているのでは、実質実力テストではありません。
それだけに、対策できる以上やらない選択肢はありません。1学期末で2位を取ってしまっているので、あまりひどい順位を取ると恥ずかしいとも言っていました。そのため、本来の予定を変えてでも夏休みの宿題を中心に行うことになりました。
そして、休みが明けた2学期早々に実施された実力テスト。結果は7位でした。息子もほっとしたようです。2位を取る前までの目標は上位10%維持でしたから、これでもかなり良い結果です。
でもその時は素直に100%喜ぶことはできませんでした。欲が出たというわけではないと思いたいですが、そういう面もあったのでしょう。うれしいはずの結果も、安心の気持ちの方が大きくなっていることに、人間の欲深さを感じてちょっと怖くなりました。
2学期中間試験
クラスの期待を集める
1学期の2度の定期試験と実力テスト。この3度のテストの1位は実は同じ子でした。3連覇していたことになります。息子の学年はその子を中心に回っていくのだろうと誰もが思っていました。良い目標です。
そのトップの子に1度1点差まで迫ったこともあり、連覇ストップの期待が息子にかけられました。2学期の中間試験では、それこそクラス中の期待を背負って挑むこととなったのです。
ところが残念なことに、息子にはそれだけの期待に応える実力は備わっていませんでした。予想以上の好成績を出していたものの、上位でやれる自信まではついていません。また、精神的にはまだまだ子供でしたが、天真爛漫に臨めるほどではありません。どちらかというと重圧に感じていました。
さて、試験の結果はというと、1学期中間試験に逆戻りの上位10%に落ち込んでしまいました。それで落ちたと言えることは、入学直後からすればありがたいことでしたが、順位的にはやはり急落ですから残念です。
しかも内容がよくありません。ケアレスミスの連発で、落とさなくていい点を軒並み下げていました。周囲の期待がプレッシャーになっていたのでしょうか。特に数学などはひどい結果でした。
ケアレスミスを甘く見ない
ケアレスミスというと注意力不足で落とす惜しいミスの印象がありますが、実際にはとんでもなく恐ろしいものです。何せ、全く理解していない人間と同じ点数になってしまうのですからその怖さが分かります。
その恐ろしさは前々から認識していたので、小学生の頃から口を酸っぱくして言ってきました。取ってきた対策をいくつか例を示します。
計算は必ず検算する癖をつけました。可能な限り2種類以上の方法でするように指導しています。ミスが増えるため、筆算は極力使わないようにもさせました。ケタ数の多いかけ算などどうしても筆算が必要な場合は、ケタをそろえてていねいに書き残すなど、余白の使い方も教えています。
問題文はよく読んで、題意に沿った答え方をしているかを必ず確認するようにも言い聞かせてきました。何を問われているのかを常に意識するようにずっと言ってきています。答えを書いた後にも確認するようにさせています。
それでも必ずと言っていいほどケアレスミスは発生します。難問はできなくても、できたところでいっさいのミスを犯さずに確実に点を取れば、大概の試験は乗り切れる。それくらいミスしない価値は高いものです。何度も何度も聞かされているので息子も分かっているはずでした。
プレッシャーに弱いかもしれない
しかし、今回の試験ではケアレスミスが連発してしまいました。どうやら息子は重圧に弱いようです。残念ですが認めざるを得ません。重圧の分だけ、ミスに向ける注意力が削がれたと考えられます。
そういえば、中学受験でも第一志望でかなりの重圧でおかしくなっていました。ああ、あのときもこうやって失敗を重ねて落ちたんだな、と納得がいきました。
しかし、息子には重圧に弱いとかそういう類のマイナスの言葉は絶対に言わないようにしました。言葉に引きずられて、本当に弱くなってしまっては困ります。息子自身にも、重圧に弱いという自覚はあったかもしれません。でも、今それを親が口に出してしまうと確証を与えてしまうことになります。まだ中1ですから、これから精神的には強くなることにも期待して、その時にはプレッシャーの話はスルーしました。
ただ、プレッシャーに弱いということは念のため心に留めておくことにしました。大学受験の時に、迷ったらレベルを落とすことも考えないといけないかもしれない。そのときの判断材料のひとつにしようと決めました。
中1その後の定期試験
クラスの期待には応えられませんでしたが、その一方ではずいぶんと気が楽になったようです。そのおかげもあって、それ以降の試験ではケアレスミスの割合も減りました(ゼロにはなりません。)。ミスが減れば得点が上がり、それに伴って順位も上がっていきました。
その順位は2学期末が6位、3学期末が4位。順調に推移しました。1ケタが続きましたので、どうやらマグレではなさそうです。息子もこの結果には満足していて、自信もついてきたように見えました。
ここはその自信を助長しておこうと思い「実力さえ出せれば1ケタは軽い。5位以内を定着させて、1回くらい1位を取っておこう。」という趣旨のことを言いました。ケアレスミスも実力の内ですが、そこはごまかしています。自信をつけて、プレッシャーに弱いという意識も吹っ飛ばしてくれることを願うのみです。
入学当初に立てた目標の、東大に入れる学力の目安である学内1ケタを、中1でのテスト6回中4回で出すことができました。上々の結果です。2回とった2ケタ順位は、その後の中学高校生活で2度と出すことはありませんでした。
息子のみならず私達親も中学受験での失敗を乗り越え、自信がついてきました。やっぱり実力はついていた、間違ってはいなかったんだという心持ちになれたのです。鶏口となるも牛後となるなかれ、ということわざがあります。鶏口の一番先端もいよいよ見えてきました。次の目標は5位以内定着と1位奪取です。
ちなみに、最初の試験から3連覇していた子がいましたが、その後の1位は移り変わっていました。確固たる地位を占める子がいない乱立状態に入っていました。息子もその中に入ってもらいたいと切に願っていました。チャンス到来です。
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