小学生の参加する算数オリンピックは参加する子も多く、よく知られた存在です。大手塾や算数の塾では、算数オリンピックの成果が売り文句になるくらいです。
それに比べると、同じ団体が主催している中学生向けの大会、広中杯の知名度はイマイチです。今回はその広中杯とはどんなものかを見ていきたいと思います。
インデックス
広中杯とは
息子が学校の勉強以外で取り組んだ数少ないもののひとつが数学コンテストへの挑戦でした。数学オリンピックは有名ですが、中学生対象の広中杯というものもあります。
広中杯を主催しているのは、算数オリンピックと同じ算数オリンピック委員会です。数学オリンピックを主催している とは別組織なところが紛らわしいですね。もっともそれによって参加者が不利益を被ることはありません。むしろ数学好きにとってはコンテストが複数あることはありがたいことです。
広中杯にその名を冠するのは、数学のノーベル賞とも言われるフィールズ賞を受賞した広中平祐氏です。日本人でフィールズ賞を取ったのはわずか3人で、広中氏はそのうち2番目に受賞されました。1970年のことです。
その広中氏とピーター・フランクル氏の提唱で算数オリンピック委員会が設立され、最初の算数オリンピックが開催されたのが1992年。最初は小学生だけでしたが、2000年には中学生を対象とした広中杯が開催されました。その後も種目が増えて、現在では小学1年生から中学3年生まで、何かしらの挑戦をすることが可能になっています。
広中杯の種目と開催時期
広中杯には中学1、2年以下が対象のジュニア広中杯と年齢無差別の広中杯があります。ジュニア算数オリンピックが小5以下で、算数オリンピックが無差別なのと同じ関係性です。
ただ、参加者は算数オリンピックの小学生のほうがずっと多く、広中杯のときには教室に数えるほどしかいなかったみたいです。受験後に送られてくる解答冊子によると、予選通過者の数は広中杯は算数オリンピックの2〜3割程度でした。上位通過者の割合はほぼ一定なので、それがそのまま参加者の割合なのでしょう。知名度の低さと数学の敷居の高さが原因と思われます。
予選の開催時期は算数オリンピックと同じ日6月第2、第3日曜日です。トライアルに通過すると7月のファイナルに参加できます。トライアルは全国各地で行われますが、ファイナルは東京会場が代々木の東京オリンピック記念青少年総合センターでした。他に大阪と福岡にも決勝会場があるそうです。
広中杯での息子の成績
小学生の頃は一度もファイナルに残れませんでした。チャンスがあったのは算数が得意になってきた小6のときです。しかし痛恨のミスがあり予選落ち。息子はここ一番で結構手痛いミスをします。ちょっと勝負弱いというのもありますが、レベルが高い厳しい大会ですから、全て含めて実力が足りないということです。
中学1、2年で参加したジュニア広中杯では、いずれもあと一歩でした。とは言え、ミスをしたわけではなくその結果ですから、惜しいと言えるほどではありません。ファイナルに出るには、確実に番付が一枚以上違う感じです。
中3で最後の広中杯に挑みました。正直そんなに期待していなかったのですが、ジュニア算数オリンピックからずっと受けてきて、せっかくだから最後まで参加しておこうという気持ちでした。
でも、そういう欲がないときこそうまくいくのかもしれません。6回目の挑戦でついにファイナルに残ることができました。当時は学校内でも数学の力を発揮し始めていた頃で、こちらでも結果が出たことはマグレではなかったと思います。
ファイナルは念願だった東京オリンピック記念青少年総合センターです。トライアルは90分ですが、ファイナルは130分で行われます。さすがに決勝で上位に入れるほどの期待は親も本人もしていません。相手は数学大好きな子や天才肌の子ばかりです。その末席に座れただけでも満足です。時間いっぱいノビノビと頭を使ってきたようですが、やっぱりレベル違いでした。
こちらがファイナリスト認定証です。申し訳ありませんが名前だけではなく受験年度も伏せさせていただきます。認定証に種目名は入っていません。小学生も中学生も同じものを使っているようです。予算の都合でしょうから仕方ないですね。
広中杯の勉強法
使用教材
算数オリンピックの頃から勉強の仕方はずっと同じで、過去問を解くだけでした。小学生の頃は、ブルーバックス新書のものを買っていました。
でも、算数オリンピック委員会が出している過去問の存在に気がついてからは、そちらを購入しました。
最新のものを購入すれば、各種目の前年以前の10年分が載っています。これを持っていれば、あとは毎年挑戦していれば、その参加年度の過去問は手に入りますから、一度買えば良いというわけです。
こちらのオンラインショップから買えます。
学習時期
トライアルが6月なので、新学年になった4月から少しずつ過去問を解いていきました。1日の時間は15〜20分程度でしょうか。
もっと時間をかけてやっていれば、実力も伸びたと思いますが、息子曰く、そこまで数学が好きではなかったのでやる気が起きなかったとのこと。無理強いはできません。
広中杯については算数オリンピックからの恒例行事であるから続けてくれた、という面があります。下手につついてもう参加しないとか言われても面倒です。親としては参加してくれるだけでありがたかったので、余計な口出しはしませんでした。
やった範囲はトライアルの過去問だけで、ファイナルの過去問は通過した最後の年しか手をつけていません。普段からここまでやれるくらい数学が好き、あるいはコンテストに燃えるような性格なら良かったのですが、こればかりは才能に頼るところが大です。息子をそこに誘導する戦略も気力も持っていませんでした。
続けること
1番の対策になるのは、ずっと参加し続けることですね。中学生になってから数学に目覚めたとか大好きになって、もっと難問にチャレンジしたくなったとか、そういう動機を持ってくれれば言うことはないですが、なかなかそういう機会には巡り合わないでしょう。
やはり小さい頃から続けることが一番です。特に現在はキッズBEEという小1から参加できる種目があります。息子の時にはまだ無かったので間に合いませんでした。過去問を見るとさすが算数オリンピック委員会、良い感じで頭を使う問題がそろっています。今なら絶対にやらせます。親も普通に教えてやることが可能で、ここから続けていれば自然と考える力が身につき、将来的に算数数学が得意になることが大いに期待できます。
こちらは模試です。過去問は上記の HPからどうぞ。
息子の頃は低学年向けの算数問題が少なく、最レベはちょっと違うと考えていたので、こういう問題をたくさん与えることのできる今の親御さんは羨ましい。受験の算数とは毛色が違いますが、実は確実に受験にも役に立つ思考が鍛えられます。強くお勧めします。
以上、広中杯についてでした。
息子が中高の学校の勉強以外でやっていた数学コンテストは広中杯と数学五輪です。最初はこれら2つをまとめて書こうと思っていましたが、ごちゃごちゃし過ぎるので分けることにしました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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