超基礎的な四則計算は瞬時に処理すべきです。
今回は、超基本の計算の範囲、達成したいレベル、瞬時にできるメリット、達成時期の目安等について考えていきたいと思います。
計算の基礎の基礎の範囲
計算の基本中の基本は次の4つです。
- 1ケタ同士のたし算
- 差が1ケタのひき算
- 九九の範囲のかけ算
- 九九の逆のわり算(九九の積÷ひとケタ)
順に見ていきます。
1ケタ同士のたし算
1ケタ同士のたし算は文字通りならば0+0から9+9までの100個を指します。
でも小さい子供は0の概念よりは10の方が理解しやすいので、0を10に置き換えても良いと思います。例えば、5+0よりも5+10の方がずっとよく出会いますし、5+10の1の位だけで見ると5+0も出現していますから、ゼロを足す感覚も一応養えます。そうすると、扱う範囲は1+1から10+10までの100個となります。
差が1ケタの引き算
引き算の基礎の基礎の考え方は大きく分けて2種類あります。ひとつは10〜19から0〜9を引くというものです。100マス計算はだいたいこれですね。
もうひとつは、1ケタ同士の足し算の検算の形の引き算です。答えは1ケタになります。基礎の基礎というならばこちらの方がよりふさわしいと思います。ただし、100マス計算では扱えず、計算カード形式でないとできません。
※たし算で0でなく10を採用した場合、検算の答えに10が出現します(20ー10、18ー8など)。この場合、扱う範囲は2ー1・3ー1・・・19-10・20-10までとなり、合計は100個です。
九九の範囲のかけ算
かけ算の基本といえばやはり九九です。日本の伝統芸ですし、先取りするなら九九を唱えたり聞いたりして覚えることになるでしょう。
足し算引き算のように、0ではなく10を使うかどうかですが、どんな数でも0をかけると0になる、という考え方を子供は好きですから、そのまま0でいいでしょう。×10は×100、×1000などと一緒に別の機会にまとめて練習できます。
九九の逆のわり算
わり算の基礎の基礎は九九の逆、すなわち、九九の積を1ケタで割ったものです。
慣れてくると、16・21・24・32・42・49・54・72等九九の積への反応が早くなります。将来的には、約分や素因数分解をするときのスピードに、大いに良い影響をもたらしてくれるでしょう。
瞬時とはどれくらいか?
ひとつの計算で、できれば約1秒で答えを出したいところ。速い人はまさに瞬間という感じでコンマ何秒で答えが浮かぶでしょうけれども、1秒との差はあってないようなものですから気にしなくても構いません
個人差もあるので、どうしても2秒くらいかかってしまう人もいるでしょう。でもここまでは許容範囲です。正確性さえ保証されていれば大丈夫です。
しかし2秒を超える時間がかかるようではおそらく問題アリです。計ればわかりますが3秒は意外と長いですから、この時間内に答えを出せないのは練習不足と言って良いでしょう。
瞬時にできることの利点
ミスを減らせる
基礎の基礎の計算を瞬時に行うことの効能は、より複雑な計算になったときの正確性が高まることです。
計算はミスするものです。そろばん有段者や計算の達人クラスならば一発の計算で常に正解を出せるでしょうが、凡人にそんな真似はできません。何とかミスを減らす工夫をする必要があります。
ミスを減らすには頭を使う手順を省くことです。どんな難しい計算をすることになっても、バラして細分化していけば、基礎の基礎の計算に行き当たります。その一番の根本に頭を使わなくて済むようにすることがミスを減らすことにつながります。
例えば6+7ですが、これを6+(4+3)→(6+4)+3として繰り上がりを考えるよりも、いきなり13と答えを出せる方が速くて確実です。15ー8でも、(10+5)ー8→(10ー8)+2と繰り下がりを考えるよりも、即7と答えを出す方がミスが少ないに決まっています。
スピードが速くなる
手順を省いた分当然に計算スピードは上がります。スピードが上がれば検算もすぐにできるので、正確性もさらに増すことになります。
計算が正確で速いとなれば自信が持てるので、算数に対するストレスも少なくて済み、安心して思考に時間を振り分けることができるところも大きなメリットです。
手順を経るやり方も知っておく必要がある
1秒で答えが浮かぶということは、もう実際に計算せず答えを覚えている状態です。そうでないとその速さではできません。
だったら最初から覚えればいいじゃないかと思うかもしれませんが、まずは手順を踏んでできるようになり、それを繰り返すうちにいつしか覚えてしまったというのが理想です。
なぜならば算数問題を解いていれば、時折頭のコンディションが良くない状態に陥ることがありますが、そういうときは覚えていたはずの答えも出にくくなるからです。その保険として、計算手順をきちんとなぞりながらやれる必要があります。計算の過程はやろうとすればいつでもできるべきなのです。
始める時期と完成時期の目安
ほぼ100%たし算から始めることになります。20まで数えられるようになって、たし算の概念が解るようになれば始めて良いでしょう。
最近は幼児用教材で「ぜんぶでいくつかな?」「どっちがおおい?」のようなページが多数あり、しかもかなり小さいうちから学べるので、足し算引き算の概念は入りやすい環境です。無理なく始められます。
完成は小学校で習う時期をリミットの目安とします。たし算ひき算なら小1、かけ算は小2、わり算は小3くらいでしょうか。もちろん早くなる分にはいくらでも大丈夫です。ただし、くれぐれも無理してできるようにする必要はありません。
まとめ
計算の基礎の基礎は1〜2秒で瞬殺できるようにしましょう。そうすることで計算の正確性と速度が上がり、そこでできた余裕を思考に振り分けることができます。
使用教材や実際の進め方については、個別の記事で詳しく載せますのでお待ちください。
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