コロナ以降、息子の大学も今年度はほとんどリモートで行われています。普段は大学の近くで下宿している学生も、結構な割合で実家(親許)でリモート授業を受けているそうです。これからだんだん教室講義も増えていくそうですが、早く大学に戻れると良いですね。
うちの息子もほとんど家にいます。家にいるのでいろいろ話をする機会も多くなりました。成人になった息子と話す時間が増えたことは思いがけないコロナの副産物です。
大学のこと、医学のこと、コロナのこと、将来のことなどいろいろと話題にするのですが、あるとき息子自身の大学受験のことに話が及んだので、この際感想や反省などを聞いておくことにしました。
受験はうまくいったという認識
まずは結論から申し上げると、我が家の大学受験は成功です。大成功というには躊躇がありますが、息子自身が成功したという以上、成功なのでしょう。
センター試験の結果により第一志望は断念し、やや落として合格することになったことに、私は引っかかりを感じていました。しかし息子は、100%満足とは言えないものの、後悔するほどのことではないと一蹴。それならば、私がいつまでも気にするのはおかしい話です。
医学はおもしろい!
息子が受験成功と主張する最大の根拠は、医学を学んでいる現状が楽しいからだそうです。高校で生物選択ではなかったから不安もあったが、医学はやってみたら思った以上におもしろい、自分に向いていたとのこと。
解剖も抵抗がなかったし、その他実習やグループワークも楽しいと言います。たまたまリモートでグループワークをやっているところが聞こえてきましたが、率先して発言し班をまとめていたようで、なかなか頼もしく感じました。
おもしろいと言うだけあって成績も悪くないので、留年の心配もありません。国家試験もまず問題ないでしょう。学費も残りいくらかかるか計算できて、親としては大変頼もしい限りです。
受験の反省点
進路を決めるのが遅くなった
一方、細かい反省点も挙げればいくつかあると言います。
息子が挙げたのは進路をなかなか決められなかったことでした。最終的に医学部志望を決めたのは高3の12月だからかなり遅いですね。今回はっきりわかったのですが、そこまで遅れたのはわたしにも責任があるということでした。
というのも、父親(私)が自分(息子)が医者になることをあまり推奨していないことと感じていたからでした。
私がずっと言ってきたことは、金や地位目当てで興味がない医学の道に進んだら、こんなはずじゃなかったと後悔するぞ、ということでした。それをちょっと大きく受け取り、医学が好きでなければやめておいた方がよいと思っていたと。
これは悪いことをしたと思いました。私は関心が持てないようならやめておけと言っただけで、興味があるなら問題ないというつもりでした。反対はしていません。もっと話し合いをすべきでした。
もっとも、息子も私のせいだけで悩んでいたのではなく、東大でやってみたい研究はあって、最終的にどちらにするか決めかねていたとも言っています。
結局迷ったまま受験した防衛医大で一次を合格したことが自信になったし、その二次試験(面接等)の過程で医学部を受ける決心が付いたのですが、それが12月だったというわけでした。
ただこうも言っていました。そんな時期まで悩んだのに、間に合って合格できる実力が残っていたのは良かったと。とことん悩んだので後悔しなくて済んだとも。
塾・予備校にいかなかったことについて
ずっと塾や予備校に行かなかったことについてはどうなのかも聞いてみました。
それを聞いた理由は、正直なところ、高2のときに予備校に行っていれば結果は違っていたかもという後悔が私に残っていたからです。本格受験期到来なのに明らかに勉強のペースが鈍って、高1までの貯金で何とかなったようなものでした。あそこから予備校に行き、他の進学校の成績上位者に触れて、刺激を受けるべきだったのではないだろうか、とたまに思い返していたものです。
それに対して息子の答えは「考えていなかった」でした。勉強は自分でできたし、成績も決定的に落ちたことはないから必要性を感じたことがなかったと言います。刺激を受けられたかもという話には、有効だっただろうと同意していますが、後悔するほどの話ではないそうです。
のんびり勉強して、好きな野球をじっくりと見られたし、何より錦織の全盛期(個人的には錦織にはもう一花咲かしてほしい。)をみることができたのが良かった。予備校に行っていたらとてもそんな余裕はなかった、とあっけらかんとしたものです。
それに大学に入ってから、塾に通ったことがないというと一目置かれるし、いい話のタネになったと言います。
さらには、受験で消耗しなかったおかげで、大学での勉強に打ち込むことができていると前向きなことばかりです。なんだか救われた気持ちでした。
最後に
息子とじっくり話す機会を得て感じたのは、もっとうまくやれたはずと思っていた私と、結構満足している息子の間の隔たりが大きかったということです。
息子が現在、何の不満も持っていないならもう十分です。私も考えを改め、今後は教育において大成功を収めたという認識でいきたいと思います。
あと数年学費を出せば、息子の教育も完全終了。このまま後悔しない人生を送ってくれることを祈っています。
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読んだ (木曜日, 04 3月 2021 14:59)
最後まで読みました。
私の友達も同じくらいの時期に東大から医学部に希望を変更して、おそらく息子さんが通っている大学を受験して、浪人しました。1年後その大学に入学しました。
彼の気持ちが少しわかった気がします。