子供が地頭を鍛える上で、もっとも適している勉強は算数と文章作成です。この2つの共通点は何と言っても論理力を向上させることができることです。
論理は勉強においても仕事においても、もっとも必要とされる基礎的能力です。この能力を幼少期からでも鍛えていけるという点が、算数と文章作成の優れたところで、勉強の中心に据えられることになります。
今回はまず算数についてみていきます。
論理を展開できるようになる
「△だから○」これは理論の最小単位です。算数に当てはめれば一本の式です。1年生で最初にやるような足し算の問題は、式ひとつで終わります。例えば「3本の木と5本の木を足した。だから全部で木は8本です。」です。論理ひとつで完成しました。
これが学年が上がっていくと、式や説明を何本も積み重ねていくことになります。「△だから○」→「○だから□」→「□だから◎」と多層的に展開していきます。
今の例のような一本道だけでなく、「一方」とか「ところで」などを使って別ルートで論理を組み立て、最終的に複数ルートを合体させて結論を出す、ということもよくあります(三段論法も簡単ですが一応その形ですね)。小学生でこういう複雑な論理展開を学べるのが算数の優れたところで、他に代わるものはありません。
頭の中でイメージする訓練になる
算数の苦手な子供は、というか本当に多くの子供が算数を苦手になってしまうのですが、その理由のひとつは、論理を多層的に展開していくときに、前の論理を覚えていられないことにあります。何をしているのかわからなくなってしまうのです。これでは積み重ねていくどころではありません。
この対処法は、問題の全体像を頭の中で思い浮かべようとすることです。昔算数苦手少年だった私が、大人になって算数問題を解けるようになったのは、問題を100%理解し、俯瞰したデザインをイメージできるようになったからです。
ならば、子供であろうと方向性は同じで良いはず。初期から、想像力を働かせてイメージする訓練をしていれば、今何をしているのか、どこの論理を展開中なのか、迷うことはなくなります。
このように、イメージ力を高めることは論理力の補強になるばかりでなく、記憶力の向上も期待できます。
ひらめく感覚がつかめる
算数問題を考えていて、急に解き方がひらめくと気持ちが良いものです。私見ですがひらめくのは、これまでに見てきた問題の考え方を応用することがほとんどでした。その考え方が消化されて身についているということなので、実力がついた証と言えます。
ひらめきは天性の才能やセンスによると思われていることが多いですが、算数(図形はセンスの比率が高いかも?)に関してはオリジナルの手法が突然頭上に降りてくるということはないと思います。ですから、自分には算数のセンスがなくて向いていないというのは、まず努力不足を疑うべきです。
ともかく、ひらめくのはどんなときなのか、という感覚は文章を書く場合でも大差ない気がします。ひらめくチャンスが多い算数は、そういった感覚を養うことにも適しています。
まとめ
- 算数でまずは簡単な論理を扱うことに慣れる
- 題意を100%理解し、問題の全体像をイメージする訓練をすることで、論理を展開していけるようになる
- 問題を数多くこなし、考え方をたくさん習得すると、見たことがないような問題でも解き方がひらめいたように降ってくることがある。
1と2の論理が身につく点が算数の最大のストロングポイントです。3は副産物と考えてください。
大人でも、算数は地頭を良くする効果はあると思いますが、なかなか取り組むモチベーションが湧いてこないでしょう。算数ができれば大きな武器となる子供のうちにきちんと取り組んでおくべきな特別な科目です。受験等においても得になることしかありません。苦手になってはもったいないですよ。
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