都道府県を憶えたら、その勢いで旧国名を憶えることをオススメします。
大学受験まで長く役に立ってくれますし、一生使える教養として残ってくれます。一体どう役に立つのかご紹介したいと思います。
地理で役に立つ
まずは地名を憶えるのに重宝します。島、半島、山地山脈、平野、川とあらゆる場所に旧国名は生きています。イメージも湧きやすくなりますし、記憶のフックとして格段に忘れにくくなります。
淡路島、対馬、房総半島、能登半島、筑紫山地、飛騨山脈、濃尾平野、讃岐平野、信濃川、筑後川などが挙げられます。
伝統工芸品の名称にも旧国名は多く残っています。 加賀友禅、美濃和紙、播州そろばん、備前焼、土佐和紙などがあります。
他には讃岐うどん、伊予柑、筑前煮、さつまいも等の食べ物、伊勢神宮、出雲大社等の神社、但馬牛、近江牛等の家畜、伊勢海老、阿波踊り・・・まだまだたくさんあります。身近なもの、よく聞くものの由来を知るのは楽しいと思います。
歴史で役に立つ
これはわかりやすいですね。地理は日本地図と都道府県名を頭に入れていないといけないように、歴史では日本地図と旧国名が必要です。旧国名が旧ではなく現役だったのですから、歴史的事件も史料では当然のごとく旧国名で書かれています。だから頭に入っている方が断然有利です。
例えば、寿永2(1183)年の倶利伽羅峠の戦いの倶利伽羅峠は加賀・越中国境にあったとか、天正3(1575)年の長篠の戦いの長篠城や設楽原が三河国だと知ると、断然イメージしやすくなって憶えやすくなります。
古文で役に立つ
古文においても旧国名は頻出します。社会科ほどに有用ではありませんが、知っておけば少しでもプラスになってくれるでしょう。
源氏物語でも摂津守、伊予介といった官職名は出てきます。また、伊勢物語の「東下り」では、京から三河、駿河、武蔵、下総と旅をした記述があります。それらの国がどこにあるのかわかっていれば、やはりイメージしやすくなって読みやすくなります。
旅行が楽しくなる
役に立つのは勉強だけではありません。旧国名が頭に入っていれば、旅の楽しさが割増されること請け合いです。知識は多いほど人生豊かになり、その効果は一生ものです。
まずは畿内から
畿内は都の周辺です。旧国名が制定された時代(飛鳥〜奈良時代)の都(藤原京、平城京など)はこの地方にありました。昔は大阪京都奈良が首都圏だったわけです。
5つしかないので、位置と名称をセットで憶えるのはすぐにできるでしょう。
憶えるついでに関連情報を頭に入れておくと、引っかかりができて思い出しやすくなります。例えば既に憶えた都道府県とからめて今のどこに当たるのかを理解したり、旧国名が現在どんなものに残っているのかを知ることも記憶のフックになります。
①〜⑤の順番通り憶えておくことをオススメします。番号とセットの方が、記憶の入れ物として使いやすくて便利です。
①大和
現在の奈良県です。大和郡山市、大和高田市、大和川にその名前が残っています。
「大和」は日本そのものを指す言葉でもあるので、日本各地に大和のついた地名があります。東京都東大和市、神奈川県大和市などです。
他に絵画様式の大和絵、戦艦大和、大和堆等々、様々なものに幅広く名が付いています。
②山城
現在の京都府南部で京都市は含まれます。
古くは山背と表されていました。奈良の平城京から見れば、北側の山の向こう(背中側)という意味のようです。平安京遷都から山城になります。
現代では「山城」をという言葉を目にする機会に恵まれません。「京都」「京」のブランド力が強すぎて、山城をつけるよりも、そちらを選ぶからでしょう。
③摂津
現在の大阪府北西部と兵庫県南東部です。大阪府に摂津市があります。
大阪府、兵庫県の阪急沿線はほぼ全域摂津です。
④河内
現在の大阪府東部です。国府(国司の役所があったところ)は現在の藤井寺市にありました。
河内長野市や、河内天美、河内小阪など駅名にも多く名が残っています。
⑤和泉
現在の大阪府南西部です。国府は現在の和泉市にありました。別名泉州もよく使われます。
関空がある泉佐野市、泉大津市、泉南市など、泉がついている地名もあります。
泉州タオルの国産シェア4割強(1位は今治)です。泉州水なすも有名です。
ダウンロード教材
上記の情報が入った教材を作りました。
ダウンロードしてください。Kindleなどのmobi書類対応の端末に入れてお使いいただけます。
暗記カードのように使えます。ふりがなを振ってますので、子供でも読みやすくなっています。
とても有用な旧国名、まずは畿内をぜひ憶えてください。これを置き場所にして他の記憶ものも入れていくことも考えています。
畿内以外の七道(東海道、山陽道など)も順次公開していきます。
コメントをお書きください