学校と家庭学習・塾とでやり方が違ったら、学校のやり方に従うことを強くすすめます。その理由と対処の仕方を解説したいと思います。
◦正直困る学校のやり方
まずはどんなときに学校とやり方が違ったのか、私や家族が実体験した例を見ていただきます。
筆算
やはりまずは筆算です。暗算でできる簡単な計算でも、必ず筆算した形跡を残さないと×にされます。2桁×1桁(34×6など)は筆算絶対。2桁同士の足し算でも同様で、2桁+1桁ですら小数が混じったりすれば(3.7+5など)桁を合わせて筆算しないと×です。こんなもの理不尽です。そろばん上級者で暗算が得意だったりしたら本当に辛いでしょう。この事情は私の時代から息子まで全く変わっていません。
輪をかけてひどいのが、筆算するときに数字の上に小さく書く数字です。
↑これはパソコン上で作ったので見やすいですが実際には手書き、しかも子供の字です。見づらくてミス機会を増やすのは確実です。ごちゃごちゃ書けば書くほどミスは増えますし、機会が増えればミス可能性も高くなります。
2桁同士のかけ算を暗算しろとは言いませんが、一つ一つのかけ算は暗算できます。最後の足し算もです。小さい数字を書くよりも正確性は高くできると思います。頭の中だとミスをして、書けば間違えない。この思想を改めないといけません。
文章題
文章題もいろいろとこだわりを持った先生がいます。息子が遭遇したのは式を書かないとアウトな先生でした。説明や図表が書いてあるだけではダメで、式を使って書いた答えしか認めません。
「Aは10個。Bはその2倍持っているので20個…」
「Aは10個。AとBの個数は2:3なのでBは15個…」
これくらいなら、式無しでさらっと書く方がスマートです。
説明のあとで、
10×2=20 とか、
10÷2×3=15
などと書くのは何だか間が抜けていますし、蛇足に見えます。式を必須にする必要はありません。
ところが、説明抜きで式だけならOKだったりして、どうにも納得がいきません。
漢字
漢字は異常なほどに厳しい先生がいました。
書道の時間ではありません。いくらなんでもこだわりが強すぎます。どれも漢字検定ではセーフです。
実際に書くことの減った現在です。あまりにも下手な字だと多少がっかりされますが、手書きを見られる機会が減ったのでそこまで気にすることではありません。それよりは正しい漢字を読めて選べて意味を知っていれば十分です。こんなに厳しくして、漢字学習が嫌になる弊害の方がずっと大きいです。
先生に嫌われるとめんどうくさい
実例を見ていただいたように、学校と家庭・塾でやり方が違う場合に学校側が正しいということはめったにありません。
それでも私は、学校の先生の言う通りにしてもらいたい。先取り学習や中学受験に理解ある先生に当たるとは限らないからです。というよりは、それらに寛容な先生の方がどう考えても少ないはずです。
嫌悪感をあらわにする先生ももちろんいます。嫌味を言われるだけでも心の負担になるのに、わざと宿題を増やしたりして貴重な時間を奪いにくる嫌がらせもあります。受験をするならこれくらいできて当然などと言いますが、6年生にもなって算数ドリルや漢字の書き取りを増やされても苦行にしかなり得ません。
そこまで露骨でなくとも、内心嫌だなと思う先生がたくさんいることは疑いの余地もありません。でも授業中に生徒から、そんなこと知ってるとか塾で習ったとか言われたら面白いはずもないので、先生の気持ちはよくわかります。聖人でもない限りそんな子供を好きになれるわけないですよ。
だから学校では学校のやり方に従う。これが最良の方策なのです。すでに習ったことや知っていることが出てきても、復習だと割り切って授業を受けましょう。先生の言う通りにして優等生を演じましょう。学校で過ごす時間は短くないので、精神面の苦労はしないに越したことはありません。
やり方に混乱が生じないか?
学校の言う通りにするといっても、あくまで学内だけの話です。家庭や塾では効率がよいやり方を教わっているので、それを捨て去るのはありえません。
しかしそれでは頭が混乱してしまうのではないかという心配が生じます。でもこれをいい機会ととらえて利用する作戦があります。
先取り学習や受験勉強をしていれば、学校のテストはかなり簡単に感じます。特に算数は半分の時間があれば余裕なほど。それならその余裕をまるごと、学校に合わせることに使ってみてはどうでしょうか。
ベースは家庭・塾で習った方法で考え、それを学校方式に変換する意識をもってやれば、混同して頭がごちゃごちゃになることもなくなります。頭を整理する練習になり、学校の勉強を役立たせることができます。
バカらしいと思うでしょうが、それくらいの違いを使い分けられるくらいでなければ、先取り学習や受験はうまくいかないでしょう。
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