一次試験、数十年ぶりの変革
私の高校時代には共通一次からセンター試験への切り替わりがあり、学校や生徒らもてんやわんやでした。今と違ってネットのない時代でしたし、現役生が予備校に通うことが一般的ではなかったので、学校の持ってくる情報の価値が今とは比べものにならないくらい貴重でした。
初めての共通テストが迫っています。あのとき以来の変革です。ただし、私が調べた限りでは大変革ではないようです。東大や息子の通う大学の受験要項では、配点がセンター試験のときのまま変わっていないからです。受験生にとっては一安心というところで、細かい変更点に注意しつつ、残りの期間で追い込みをしてもらいたいと思います。
一番良かったと思っているのが、算数と国語の記述が見送られたこと。特に国語ですね。これは本当に良かった。その理由は共通テストのような全国一斉で何万人もの受験者がいるようなテストにおいて、記述は向いていないからです。
一次試験に記述が不向きな理由
巨大なテストだと採点者複数人必要です。複数人というか、百の単位でいるかもしれません。そうであれば採点の統一基準が不可欠となりますが、その基準の取り扱いが難しい。
要旨が何点とか、この文言が入っているから何点とか、正しい語尾が何点とかで配点が決まっていくのでしょうが、あまりにも厳格に決まっていると画一的になり過ぎて、記述式の意味がなくなります。
だからといって採点者の裁量が許されると不公平の元になるので反対です。それなら裁量ではなく、あり得る解答のバリエーションをすべて想定したとします。その場合は採点者の講習会が必要となり、現実的ではありません。また採点者の力量も要求され、アルバイトではとても信用できません。
このように採点が困難なことが予想されるのですから、自己採点などできたものではありません。1日でも早く二次受験先を決めたいのに、それができません。一次試験は迅速性が必須です。
記述式は人数を絞った二次試験でやれば良いのです。それならば採点者の数は少なくて済むし、採点基準を行き渡らせることも可能。何より試験から合格発表までじっくりと採点する時間がありますし、二重三重にチェックすることもできます。その条件下であれば不公平を感じることもなく、受験生も安心して臨めます。
対策はセンター過去問
以上の理由から、初めての共通テストで記述式がないのは良かったと思います。不安の種がひとつ取り除かれました。でも「初めて」には違いなく、完全に安心することはできません。
しかも昔と違って情報が錯綜する現代です。各予備校もいろいろと予想するのに力が入っていることでしょう。でもあまり振り回されないようにすべきです。
我が家で今年受験があれば、センター試験の過去問をすべてやりきらない限り、共通テスト想定問題には手を出しません。センター試験の時ですら、予備校の問題はクセが強くて本番(センター試験)との違いを感じました。問題を作るのは大学入試センターであることは変わらないので、今回もセンター過去問をやる方が無難です。やりきってから、好きな問題をやれば良いと思います。
最後は本題から外れ、蛇足気味になってしまいました。ともかく、まだもう少し時間がありますが万全にして臨めるように準備をしてください。そしてくれぐれも体調には気をつけて。マスク手洗い忘れずに。
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