2ケタ×1ケタは絶対に暗算すべきです。簡単な上、2ケタ×2ケタ以上の計算も楽になるし、わり算の筆算で仮の商を立てやすくなるなど応用が利く場面も多く、極めて有用です。
基本的な考え方
2ケタ×1ケタの考え方は筆算と同じです。2ケタの数を十の位と一の位に分け、それぞれに1ケタの数字をかけ、出した二つの数を足します。
67×8の筆算なら、8×7=56と8×6=48をずらして足します。
8×6は実際には8×60=480だから1ケタずらします。要は、8×7=56と8×6=480を足しているとことです。
暗算で筆算と違うところは、十の位から先にかけるところです。67×8なら、60×8=480に7×6=56を足します。こちらの方が概算で500くらいと早くわかる利点があります。おおよその数を出すケースはよくあり、特にわり算の筆算で仮の商を立てるときに力を発揮します。
480+56を簡単に頭にイメージできるようであれば、そのやり方でやれば良いでしょう。私は0をくっつけて3ケタの数にするのが好きではなかったので、48のまま使うために型にはめるようにしています。
型
これ↑が型です。説明の便宜上、枠名をいろはにとしていますが、普段は不必要です。
押さえておくことは、足すのはいろとはの2ケタ+1ケタだけということです。もちろんいに何もない場合はろとはの1ケタ+1ケタだけです。
にの下1ケタの数字が動くことはありません。
型にはめるプロセス
56×9を例にやってみましょう。
まずは5×9を計算し、頭にイメージした型に並べます。
次に6×9=54 を型に入れますが、特に5に重く意識を置きます。4は極端な話、一旦忘れても構いません。
ここで45+5を計算します。50に4をくっつけて答えは504となります。もし4を忘れていても、6×9の一の位ですからすぐに求めることができます。
具体例
もう数例見ておきます。慣れれば型枠なしでもできます。肩枠があった方がイメージしやすいならばそうしてください。
・13×4
3 ←1×3(十の位は0)
12
足すのは3+1のところだけ。
一の位の2はそのまま。
答えは42です。
・27×6
12
42
足すのは12+4のところだけ。
一の位の2はそのまま。
答えは162です。
・62×3
18
6
2×3は1ケタなので足すところなし。
答えはそのまま186です。
・79×9
63
81
足すのは63+8のところだけ。
一の位の1はそのまま。
答えは711です。
キリ番にする
下1ケタが9の場合
29×4→30×4=120から4を引いて116
59×7→60×7=420から7を引いて413
89×8→90×8=720から8を引いて712
こんな感じです。かなり有効な方法なので、下1ケタが9と一瞬で判断できるなら使う価値があります。
下1ケタが8や7でも使えなくはありません。
78×4→80×4=320から8(=4×2)を引いて312
57×3→60×3=180から9(=3×3)を引いて171
かける数が小さい時には使えるかもしれません。お好みです。検算用としての需要はあります。
9をかける場合
37×9 37×10=370から37を引いて333
68×9 38×10=680から68を引いて612
このような場合はそこそこ楽ですが、
54×9 54×10=540から54を引いて486
87×9 87×10=870から87を引いて783
こちらは少し手間が増えます。
2ケタの数が十の位<一の位となっていると、ひき算が簡単です。逆(十の位≧一の位)だと繰り下がりが起こるので少し面倒になります。確認してみてください。
すぐに十の位<一の位が見抜ける場合と、ひき算を苦にしない場合は使うと良いでしょう。こちらも検算としてなら有効で、答えにかけられる数を足して10倍になって入れば正しい計算とわかります。54×9なら486を出した後、486+54=540(=54×10)となれば検算完了です。
教材ダウンロード
Kindleなどmobiファイルが読める端末で使用できる問題を作りました。ダウンロードし端末に送信してお使いください。
問題は6つあります。
問題1と2は、2ケタの数の十の位が1で、簡単です。各問とも、習得の目安は2分と設定してあります。もちろん全問正解しての時間です。ぜひ試してください。
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