初の大学入試共通テストが迫っています。初回は記述試験が無いようで一安心です。しかしそれは延期というだけで、記述を導入しようという動きが消えたわけではありません。
記述試験の方が細やかな採点ができるので、実力をていねいに測るのに向いてはいますが、大勢が受験する一次試験では、採点基準の難しさや迅速性が求められるため向いていません。思考力は二次試験でみるべきなのです。
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記述導入の声が無くならないのは、マークシート試験は運次第で公平ではないと思っている人がいるからです。その時々で点数に大きな変動があるような試験は一段下とみなしているのです。
実質、センター試験逃げ切りで決まってしまう大学もたくさんありました。それでは思考力を見るチャンスがなくてダメだから、共通テストでは記述を入れろということでもあったのでしょう。
しかし、そもそも本当にマークシート試験は運要素が大きいのでしょうか。実は私はそこまで大きくはないと思っています。
根拠は息子のセンター試験の模試、過去問、本番の成績です。900点満点で上は840点ほど、下は780点ほどと、その差は約60点。100点満点に換算すれば6〜7点に過ぎません。難易度の差を考慮しても、なかなか安定して実力を測れる試験です。共通テストも似たようなものになるでしょう。
ほとんどの科目で、良いときと悪いときの差はだいたい10〜20点です。ところが一つだけ点差が大きく違う科目がありました。国語です。国語だけで最高点と最低点の差が60点でした。慣れるに従ってその差は縮まりましたが、それでもそのときどきで30点くらいは変動が見られます。
原因は配点が大きいこと。そして数学や英語に比べて高得点を取る難易度が高いことです。数学で満点だと偏差値が71〜72なのに対し、国語で満点だと77を超えるそうです(大学入試センター発表の数字から割り出せる客観的なデータです。)。このことから国語強者はかなり有利とわかります。この部分だけはちょっと公平とは言えません。
そこでより公平にする策を考えました。と言いますか、私がセンター国語(現代文のみ)の過去問、問題集をやったときに思ったことです。択一選択肢が5つあったとしたら、1つか2つは絶対違うものがあり即除外。さらに詰めていって有力選択肢2択に絞り込み、最後はひとつだけ選びます。つまり、選択肢にも序列があるということです。作問者はこの選択肢とこの選択肢で悩むだろうなとわかって作っているのです。
そこで考えてみてください。絶対に選んではいけない選択肢を選んだ人と、2択の不正解の方を選んだ人はどちらも0点なのですが、それは不公平ではありませんか。正解が7点だとしたら、3〜4点くらいあげてもいいんじゃないでしょうか。
さらに言えば、即除外の選択肢を選んでしまうとマイナス点でも構わないと思います。医師国家試験では禁忌肢問題があって、それを何問か選んでしまうと即アウトです。それに比べればマイナスくらいあってもいいんじゃないでしょうか。
マークシートだから採点は簡単です。採用しようと思えばすぐに可能です。自己採点はめんどくさくなりますが、できなくはないでしょう。
これを導入することによって不公平感は確実に減らせます。記述試験ほど細やかにはできませんが、一次試験として完成度の高いものとなります。これは良いアイデアだと思うんですけど。
大学入試だい共通テストの記述は永久に見送り、この2番手選択肢配点制度を導入してはどうでしょう。そして思考力は二次試験において記述なり小論文を書かせればよい。これが一番公平です。
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