旧国名。今回は北陸道です。7国あります。現在の北陸3県(富山石川福井)+新潟県です。4県が7国ですから少し面倒ですが憶えていきましょう。
今回もダウンロード教材あります。ご利用いただければ嬉しいです。
①若狭
現在の福井県の南部です。福井は嶺南と嶺北に分かれますが、嶺南がほぼ若狭です。ただし嶺南の中でも敦賀市だけは若狭ではなく越前です。
若狭湾にその名が残っています。リアス海岸の若狭湾は原発銀座と呼ばれるほど原子力発電所がたくさんあります(高浜、大飯、美浜など)。これらの原発は関西電力の発電所です。福井県でも若狭は関西電力エリア、越前は北陸電力エリアなのです。意外なところで旧国の区割りが生きています。
伝統工芸品に若狭めのう細工、若狭塗があります。
②越前
現在の福井県北部です。嶺北と敦賀市が越前です。わずかですが岐阜県(郡上市白鳥町石徹白)も含みます。
越前といえば越前ガニです。ズワイガニの雄で福井県に水揚げされたものを越前ガニと言います。若狭の港で揚がっても福井県なら越前ガニだそうです。山陰(京都、兵庫、鳥取、島根)の港で水揚げされると松葉ガニ、石川県だと加能ガニというそうです。
大岡越前も有名ですが、大岡忠相と福井県とのゆかりはないそうです。
③加賀
現在の石川県南部です。
加賀と言えば「加賀百万石」でしょう。ただし、これは前田家の加賀藩の石高です。加賀藩は加賀能登越中(石川〜富山)に領地があり、加賀国だけを指した言葉ではありません。
加賀の伝統工芸品といえば加賀友禅。艶やかで写実的な絵柄の高級着物です。
④能登
現在の石川県の能登半島部分です。
のとじま水族館が能登島という島にあります。島は橋2本で本州とつながっています。
石川県に揚がったカニは「加能ガニ」という話を越前でしました。加賀と能登からとったネーミングですが、知名度は越前ガニには遠く及びません。まだ歴史の浅い名前のようですから、浸透するのはこれからです。まずは読み方から広めたいところです。
⑤越中
現在の富山県です。
「越中富山の薬売り」というフレーズが有名ですが、時代劇がなくなったからか、あまり聞かなくなった気がします。ただし、現在でも置き薬を中心とした製薬会社の本社は富山に多くあります。
越中ふんどしは有名ですが、越中発祥というわけでも、越中の名産品というわけでもないようです。
⑥越後
現在の新潟県の本州部分です。つまり佐渡島以外の新潟県です。
越後平野、越後山脈に名が残っています。
越後は広いので、3つの地域に分けられます。上越・中越・下越です。上越が一番南で地図では下にあります。 これは京都から近い順に上中下となっているからです。越前越中越後と同じ考え方です。
上越新幹線は上越地方を通っていません。この上越は上野(こうずけ。群馬県の旧名)と越後(新潟県)から取られています。
⑦佐渡
現在の新潟県佐渡島です。
淡路島と同じく島一つで一国ですから憶えやすい旧国名です。
佐渡の金山は江戸幕府の貴重な財源を生み出しました。現在(令和2年)、史跡・佐渡金山は世界遺産登録を目指しています。
以上、北陸道でした。今でも北陸道を由来とする北陸4県という言い方は残っていますが、新潟は関東甲信越に分類されたいようで、北陸のイメージは少なくなっています。
でも、大化の改新以前は、越前〜越後までを越国・高志国(こしのくに)と呼ばれていたようで、元々つながりの深い地域です。北陸新幹線も新潟県(上越地方)を通っていることですし、北陸道の絆が完全に切れることはないと願いたいものです。
ダウンロード教材
上記の情報が入った教材を作りました。ダウンロードしてください。Kindleなどのmobi書類対応の端末に入れてお使いいただけます。
子供でも使いやすいようにできるだけふりがなを振っています。
↑このページを見て①〜⑦の旧国名がわかるようになることが目標です。最終的にはこの地図が頭に入って、いつでもどこでも①〜⑦をそらんじることを目指します。
Kindleなら辞書が入っているので、わからない言葉は辞書に載っている限りで調べることができます。
次回は山陰道です。
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