受験の直前に学校を休ませるべきかという議論はずっと前からあり、これから先も途絶えることはないでしょう。重要なのはそのご家庭がとった方法が正解と言えるように納得することです。簡単なケースに分けて考えてみます。
受験日以外は休ませない
うちの息子が中学受験したときには、受験前には学校は一切休ませませんでした。休んだのは受験当日だけです。そういうご家庭は多いと思います。
いつも通りに過ごさせたいというのが理由が大きく、日々同じペースで過ごすことで、安定した精神状態を保とうとする狙いです。数多い受験情報や体験記でも、学校を休まないことを奨めるものが多いようです。
ただ、今思えば試験前は1週間くらい休ませれば良かったと思っています。いつも通りを心がけましたが、息子は試験本番は結局緊張してしまいました。休ませて気持ちを受験に向けて高めておくのも一つの手だったと思っています。
受験日1週間〜10日前から休ませる
インフルエンザの潜伏期間は1〜3日だそうです。学校なら解熱後2日は出席停止ですが、人生の大勝負である受験ではそんなことは言ってられません。とはいえ、発症している状態での受験だけは避けたいので、潜伏期間3日、解熱まで3〜4日かかったとしても、1週間あれば熱のない状態で試験を受けに行けます。余裕を見れば10日でしょう。
逆に言えば1〜5日程度では高熱の最中に受験日ということになるかもしれず、休む意味が薄れます。休むならば確実にインフルエンザを避けるために1週間は休むべきです。
また、受験期間が数日続くならば、試験の最中も感染には気をつけないといけません。昨日まで熱があったような、ウイルスを持ったまま受験に来ている子供も必ずいるはずです。周囲はみんな感染者だと考えて、試験時以外はマスクをした方が絶対に良い。どうしても感染したくないならば、コロナで広く身についたマスクの習慣をコロナ以降も続けるべきです。
受験日10日超前から休ませる
全く支障がないならば思い切って2週間、さらには1月は学校を休ませたいという本音を持つご家庭もあると思います。
暗記系科目であれば直前まで伸びますし、定着度も高まります。算数や国語だって最後のひと押しで開眼するかもしれず、勉強だけを考えればメリットは小さくはありません。
そこに立ちはだかるのが学校は休まないもの、という常識です。会社でも熱があるくらいで休めないがコロナだったら休めるという事例が今回鮮明になったように、そもそも休むことは「悪」というのが日本の常識なのです。
受験が盛んな地域でも、クラスの大半が受験するところはそう多くありません。受験組は少数派であることの方が多い。少数派は風当たりも強いものです。その常識を破って学校を長期間休むとなると、悪く噂されているのではないかと疑心暗鬼になることもあるでしょうし、実際噂されていると考えておく方が現実的です。
絶対に私立に進学させると決めているなら、噂など無視して突っ走ることも可能ですが、万が一公立中に行くこともありえます。それを考えると悪い噂は無い方が良いに決まっていますから、長期間休ませるリスクに納得できるかどうかが決め手となります。
コロナ禍における対応
ただし、2021年中学受験に限っては休ませるリスクは激減です。なんでもコロナのせいにすれば良いですから。少々休んだって目立ちませんし、そもそも学校がないことだってあり得る状況です。
さらに言えば、インフルエンザと違って、コロナにかかってしまったら隠して受験をすることは無理、あるいは非常に困難になります。それを考えると、今年に限っては1月はもう学校へ行かないという選択肢はアリだと思います。
何にせよ、しっかりと家族で話し合い、メリットデメリットをしっかり考慮した上で、後悔のない選択をしてください。
コメントをお書きください