今回は子供の自律心を育てる方法を考えてみたいと思います。誰の助けも借りない方の自立ではなく、自ら設定したルールに従って行動する方の自律です。
箱根駅伝優勝の原動力は自律できる選手
箱根駅伝で青山学院が優勝したので、原晋監督のお話を聞く機会がたくさんあります。印象に残ったのは青山の選手達は自律できているという話です。決められた練習メニューだけではなく、自ら考えて自分に合ったやり方を実践していくそうです。
自律という言葉を聞くと、私の高校時代の教育指導部の先生を思い出します。長期休み前の終業式には必ず「自ら学ぶ。自ら律する。」と言っていたので何度も聞いたことになります。
ただそのやり方や効果を教えてはくれなかったので、当時その言葉が響いたのは早く成熟した生徒と素直な生徒で、私のようなただのガキだった多くの生徒には煩わしいだけでした。今の大半の若者も似たようなものでしょう。
教えられることに慣れきっている若者にどうやって自ら律する方法を“教えて”いるのか原監督に聞いてもらいたかったですが、見ていたテレビではそこまで踏み込んではくれませんでした。
速く走りたいという目標を持つ優秀な学生ランナーには、きちんと説明してやればすぐに自律できる人が多くいるかもしれません。でも青山学院ばかりが優秀なランナーを集めているわけではないでしょう。それでも今年は青山だけが全選手ブレーキなしに走り、突出した記録を残せました。その秘密は選手の自律力にあるのではないかと思っています。
駅伝に限らず一般においても、自律心を持つことはとても重要です。子育てに当てはめれば、親の目標は子供に自律を教えることだと言っても過言ではないでしょう。
自律心を養うにはまず成功体験をさせる
まずは横に付いてやって一緒に目標を決めたり計画を練ってやるのがいいでしょう。ある程度お仕着せになるのは仕方ありません。青山学院陸上部でも最初は練習メニューをもらうのではないでしょうか。
重要なのは、立てた計画や決めたルールに沿って動くように指導し、目標を達成させることです。本当に自分の成長に役立ったという成功体験が必要で、また目標を立ててみたいと思ってもらわないと次に進めません。
それを繰り返し、少しずつ手伝うところを減らしていき、最終的にはすべて自分だけでできるようになれば完了です。手前味噌ですが大学生になった息子の勉強のことで口を出したことはありません。無事に自律を覚えて自立したと思います。
自分を客観視する
子供がいつ自律心に目覚めるかわからないのに、ずっと手伝ってやれないしやりたくない、という人もいるでしょう。子供に手がかかるかかからないかは、遺伝要素のみならず運の要素も大きいものです。手がかかる場合は自分の子供の頃を思い出すと共に、これが運命と腹をくくってやるしかありません。
そんな手のかかる子供に少しでも早く自律する力つけるのに有効と考える手段は、文章をたくさん書かせてそれを読み返すという作業をさせて、自らを客観視する訓練を小さい頃から行うことです。自分をコントロールする上で客観視ができるとできないとでは雲泥の差です。
私も息子にはずいぶんたくさん書かせてきました。今思い出すと読み返しはもっとさせるべきでしたが、それでもかなり役に立ったと思います。
今ではかなり広く知られるようになったメタ認知と呼ばれる自己客観視能力をつけさせれば早くしっかりした子に育ち、後々楽になるはずです。
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